因果関係を明確にすることこそポイント
みなさまこんばんは。
このところ少し暖かい日が続いていますね。
「小春日より」というと冬から春に向かう時期の少し暖かい日のイメージがありますが、正しくは11月頃の少し暖かい日、のようです。
今日は因果関係のお話しです。
↓
このところ少し暖かい日が続いていますね。
「小春日より」というと冬から春に向かう時期の少し暖かい日のイメージがありますが、正しくは11月頃の少し暖かい日、のようです。
今日は因果関係のお話しです。
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因果関係というのは読んで字の如く、原因と結果であります。
物事には必ず原因と結果があります。
例えば身近なところで言いますと、「食べ過ぎたので太った」、「冬が来たので寒くなった」とかですね。
これらは因果関係がとてもはっきりしている例です。
あるいは、宇宙の膨張はなぜ加速しているのかさっぱりわからないような、原因がわからない例もたくさんあります。
さらにあるいは、様々な経済現象のように何が原因で何が結果なのか、因果関係のはっきりしないこともたくさんあります。
世の中をよりよくするためには、あらゆる学問、ビジネス、行政などの分野において、因果関係をはっきりさせること、あるいは誤った因果関係の理解を正すこと、そしてそのための方策を打つことが重要であります。
因果関係の重要さは物事のジャンルによらないのです。
そして、因果関係を正しく解明するための特定の学問はありません。全ての学問に関連した基本的かつ重要な事柄と言えるでしょう。
ただ、物事の論証とか定量的理解が大事なので、この基礎部分は数学や基礎科学が請け負う割合が多くなろうと思います。
今日は、身近な例のいくつかを挙げ、因果関係の一般的な捉えられ方がやや問題だと思うことを私の持論から述べさせていただきます。
なお、私の持論自体が正しくない場合があるかもしれません。
しかし、ここではそれが正しいか正しくないかを議論する場ではありませんので、考え方だけをくみ取っていただければ幸いです。
<一部の原因でしかない例>
「冬に裸のまま長時間いたので風邪を引いた」
風邪を引く直接の原因は風邪ウィルスが体内に入ることであり、ウィルスがなければいくら寒くても風邪を引かない。
裸でいたことで体力が弱まり、風邪の発症を促進したことは確かである。
だから、裸でいたことは風邪を引いたことの一部の原因、そして間接的原因でしかない。
<因果関係が疑わしい例、あるいはそう単純ではない例>
「標準体重よりやや肥満気味の人が一番長生きである」
よく新聞等に載る記事である。
少なくとも調査を行ったデータから、被験者の体重と寿命の間でグラフを描いたら、たしかにやや太り気味の体重のところが寿命の山になったのであろう。
しかし新聞の記事だけからは、「だから少し太っている方が健康には一番よい」と言うことはできないと思う。
こうしたことを本当に証明するには、体重以外の全ての条件を同じにして比較しないと意味がないからだ。
その調査ではおそらくそんなことはしていないだろう。
寿命は栄養状態、食物、遺伝、環境、喫煙、運動、ストレスの程度等々あらゆる要素の総合的所産として決定される。
これだけ多くの要素がある中で体重だけとの相関を一般大衆に見せるのは危険だと思う。
数学的には多変量解析のような手法で、どのファクターが寿命との相関が強いかを解析するようなことができる。
最低このようなことをやってから発表してほしいものだ。
<因果関係が逆かもしれない例>
「大気中のCO2濃度が上昇しているため地球がどんどん温暖化している」
CO2(炭酸ガス)というのは確かに温室効果があるガスではある。
金星のように極端なCO2の量で覆われているため地表や大気はすごい高温になっている。
あるいは恐竜時代の地球もCO2濃度は今よりずっと高かったので、気温が高かったと言われている。
しかし現代の数百ppm程度のCO2濃度が数十年間で一様に増え続けていることがどの程度最近の温暖化をもたらしているのか、そしてその増大は化石燃料の燃焼によるものなのか、についての定量的論証はまだ十分ではないようだ。
考えなくてはいけないのは、温暖化ガスはCO2の他にも、水蒸気(要するに雲)やフロンガスなどもある。
そしてさらに重要なのは、「CO2濃度が上がっているから最近温暖化が起きているのか、あるいは温暖化が起きているからCO2濃度が上がっているのか」だ。
皆さんもご存じのように、ビールやコーラが暖まると、中に溶けていたCO2が出てしまう。温暖化が起きて海水に溶け込んでいたCO2が大気に放出された可能性もある。
もちろん、石油やその他資源の無駄使いを防ぎ、CO2の発生をなるべく抑えるべきことは重要だ。
しかし、温暖化とCO2の増大の因果関係を間違えたら、取るべき方策が大きく誤ってしまう。
さらに言えば、CO2の増大と最近の温暖化は全く因果関係のないことも考えられる。
さらに言えば、地球の温暖化は最近の数十年だけのことであり、もう少し長いスパンでは温暖化ではないかもしれない。
また、天動説と地動説はまさに因果関係が逆だった例として有名である。
<因果関係がないかもしれない例>
「環境ホルモンにより若者の精子数が減少している」
10年くらい前は環境ホルモンの問題が盛んに言われていた。ダイオキシンや海洋や湖沼に流れ込む様々な環境ホルモン物質についてである。
ある種の貝やワニの生殖の問題が取り上げられ、人間も然りだと言われた。
しかし結果としてこれらはあまり関係がないことがわかってきた。
類推を行う場合にはそれなりのきちんとした論証が必要だった例である。
これから、経済の問題、政治の問題、例えば消費税を上げるとどうなるか、金融緩和をすればどうなるか、道州制を導入すればどうなるか、など、因果関係をきちんと論じつつ議論を進めるべきだと思います。
そうでないと感覚的なだけの話になり、道を誤る恐れがあると思います。
因果関係というのは読んで字の如く、原因と結果であります。
物事には必ず原因と結果があります。
例えば身近なところで言いますと、「食べ過ぎたので太った」、「冬が来たので寒くなった」とかですね。
これらは因果関係がとてもはっきりしている例です。
あるいは、宇宙の膨張はなぜ加速しているのかさっぱりわからないような、原因がわからない例もたくさんあります。
さらにあるいは、様々な経済現象のように何が原因で何が結果なのか、因果関係のはっきりしないこともたくさんあります。
世の中をよりよくするためには、あらゆる学問、ビジネス、行政などの分野において、因果関係をはっきりさせること、あるいは誤った因果関係の理解を正すこと、そしてそのための方策を打つことが重要であります。
因果関係の重要さは物事のジャンルによらないのです。
そして、因果関係を正しく解明するための特定の学問はありません。全ての学問に関連した基本的かつ重要な事柄と言えるでしょう。
ただ、物事の論証とか定量的理解が大事なので、この基礎部分は数学や基礎科学が請け負う割合が多くなろうと思います。
今日は、身近な例のいくつかを挙げ、因果関係の一般的な捉えられ方がやや問題だと思うことを私の持論から述べさせていただきます。
なお、私の持論自体が正しくない場合があるかもしれません。
しかし、ここではそれが正しいか正しくないかを議論する場ではありませんので、考え方だけをくみ取っていただければ幸いです。
<一部の原因でしかない例>
「冬に裸のまま長時間いたので風邪を引いた」
風邪を引く直接の原因は風邪ウィルスが体内に入ることであり、ウィルスがなければいくら寒くても風邪を引かない。
裸でいたことで体力が弱まり、風邪の発症を促進したことは確かである。
だから、裸でいたことは風邪を引いたことの一部の原因、そして間接的原因でしかない。
<因果関係が疑わしい例、あるいはそう単純ではない例>
「標準体重よりやや肥満気味の人が一番長生きである」
よく新聞等に載る記事である。
少なくとも調査を行ったデータから、被験者の体重と寿命の間でグラフを描いたら、たしかにやや太り気味の体重のところが寿命の山になったのであろう。
しかし新聞の記事だけからは、「だから少し太っている方が健康には一番よい」と言うことはできないと思う。
こうしたことを本当に証明するには、体重以外の全ての条件を同じにして比較しないと意味がないからだ。
その調査ではおそらくそんなことはしていないだろう。
寿命は栄養状態、食物、遺伝、環境、喫煙、運動、ストレスの程度等々あらゆる要素の総合的所産として決定される。
これだけ多くの要素がある中で体重だけとの相関を一般大衆に見せるのは危険だと思う。
数学的には多変量解析のような手法で、どのファクターが寿命との相関が強いかを解析するようなことができる。
最低このようなことをやってから発表してほしいものだ。
<因果関係が逆かもしれない例>
「大気中のCO2濃度が上昇しているため地球がどんどん温暖化している」
CO2(炭酸ガス)というのは確かに温室効果があるガスではある。
金星のように極端なCO2の量で覆われているため地表や大気はすごい高温になっている。
あるいは恐竜時代の地球もCO2濃度は今よりずっと高かったので、気温が高かったと言われている。
しかし現代の数百ppm程度のCO2濃度が数十年間で一様に増え続けていることがどの程度最近の温暖化をもたらしているのか、そしてその増大は化石燃料の燃焼によるものなのか、についての定量的論証はまだ十分ではないようだ。
考えなくてはいけないのは、温暖化ガスはCO2の他にも、水蒸気(要するに雲)やフロンガスなどもある。
そしてさらに重要なのは、「CO2濃度が上がっているから最近温暖化が起きているのか、あるいは温暖化が起きているからCO2濃度が上がっているのか」だ。
皆さんもご存じのように、ビールやコーラが暖まると、中に溶けていたCO2が出てしまう。温暖化が起きて海水に溶け込んでいたCO2が大気に放出された可能性もある。
もちろん、石油やその他資源の無駄使いを防ぎ、CO2の発生をなるべく抑えるべきことは重要だ。
しかし、温暖化とCO2の増大の因果関係を間違えたら、取るべき方策が大きく誤ってしまう。
さらに言えば、CO2の増大と最近の温暖化は全く因果関係のないことも考えられる。
さらに言えば、地球の温暖化は最近の数十年だけのことであり、もう少し長いスパンでは温暖化ではないかもしれない。
また、天動説と地動説はまさに因果関係が逆だった例として有名である。
<因果関係がないかもしれない例>
「環境ホルモンにより若者の精子数が減少している」
10年くらい前は環境ホルモンの問題が盛んに言われていた。ダイオキシンや海洋や湖沼に流れ込む様々な環境ホルモン物質についてである。
ある種の貝やワニの生殖の問題が取り上げられ、人間も然りだと言われた。
しかし結果としてこれらはあまり関係がないことがわかってきた。
類推を行う場合にはそれなりのきちんとした論証が必要だった例である。
これから、経済の問題、政治の問題、例えば消費税を上げるとどうなるか、金融緩和をすればどうなるか、道州制を導入すればどうなるか、など、因果関係をきちんと論じつつ議論を進めるべきだと思います。
そうでないと感覚的なだけの話になり、道を誤る恐れがあると思います。
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