相対性理論
今回の科学のお話しシリーズ。今日が最終回です。
またそのうち次回のシリーズが始まるかもしれませんけど、まずはこれでおしまいにします。
最終回にふさわしく、テーマは有名なアインシュタインの相対性理論です。
もし人間が昔の(中世くらいまでの)暮らしをしているだけでよしとするなら、相対性理論は要らなく、ニュートンの力学で十分です。
ところが時代は進化し、原子や素粒子レベルの機能を利用した技術とか、宇宙の構造と仕組みを解明するとか、そういう領域に入ってくると、ニュートン力学は成立しなくなり、そこで相対性理論が登場したわけです。
すなわち、物体が光速に近い速さで動くような領域になると、かつて信じられていた「絶対空間」「絶対時間」という概念がなくなり、空間と時間は物体の運動とともに影響され変化するものである、さらに物体の質量はエネルギーに変換しうる(有名なE=mc2の式)という大胆な説を提唱し、実証されました。
従来の物理学のセンスを覆す全く新しく斬新は理論です。
というか、もともとこの世は相対性理論のもと動いてきたのですが、我々人間が捉えられる領域は相対性理論の扱うごく特殊な一部領域(物の運動が光速よりもはるかに小さい領域)に過ぎなかったわけです。
今後相対性理論は、未解明の素粒子間の力の関係を解明するための重要な基盤になりますし、宇宙の解明や核の(平和)応用の可能性をさらに推し進めることができると思います。
相対性理論が導き出されるための大きなきっかけが、光速はどんな場合でも一定という斬新な考え方でした。
物の速さ、例えば音の速さは、状況により変ることが知られています。
正確に言いますと、音を聴く人の立場で音の速さ(すなわち音の高さ)は違ってきます。
電車の警笛や救急車のサイレンなどの音の高さが変るのがその例です。
しかし光の速さはそうした場合でも変らない。どんな状況下でもどんな観測下でも常に光は一定の光速(=毎秒30万km)でしか捉えられない。
この非常に重要な前提のもと相対性理論は展開されました。
ならば、物体の速さが光速に近づいたなら空間や時間や質量は変化せざるを得ない、というわけです。
以上は私も前から知っていたのですが、そもそもアインシュタインは何故そんな発想に至ったのか、従来の物理学の何が背景になっていたのか、彼の特性とは何だったのか。
これまで相対性理論を断片的にしか理解できなかったわけで、それがずっと歯がゆかったのです。
これまで何度か本やいろんな媒体でそれを試みましたが、いまいち理解できませんでした。
先日本屋で何気なく目に留まったのが、茂木健一郎著「あなたにもわかる相対性理論」PHPサイエンスワールド新書、という本でした。
茂木さんといえば著名な脳科学者であり、テレビなどでも斬新な切り口で理論を展開しています。
しかし以前脱税のニュースがあってから少し距離を置いていました。
その本をペラっとめくってみますと、一目で「これはおもしろい!」とわかる内容でした。
この手のタイトルはかつて何度もだまされてきましたから、ようやく相対性理論の有機的理解の指南書現る!と興奮して早速購入したのでした。
読んでみると感触を裏切らない素晴らしい内容でした。
痺れた言葉は、「サイエンスはロックロールと同じ」ということ。
新しい科学の領域を開くのはロックンローラーと同じ革命魂であること。(ここで弊ブログとつながります。)
ただし、ただの反逆児ではなく、世の中への奉仕や人々への愛に満ち溢れていること、粘り強い研究姿勢があること、が重要だと説きます。
アインシュタインは自分が光の速さに近づいたらどうなるかの思考実験を行います。そこで感じ取ったのが「光の速度はいかなる状況でも変らないこと」。
そこまで至る過程と、その後の展開が茂木さんの本でよ~くわかりました。
脱税はいけないことですけど、物事1点で人を判断してはいけませんね。大変な良著です。
相対性理論の詳細はここでは省きますが、おもしろかったことは、「そもそも離れた場所にある二つの出来事が『同時である』とはどういうことか?」という疑問からアインシュタインは具体的な理論の構築を始めます。そして、離れたものが同時であるなどということを客観的に示す絶対的な時間などない、と考えていくのです。
例えば、東京と大阪にいる二人の人がテレビを見てある時刻になる瞬間を互いに確認する場合を考えてみます。
まずテレビが電波を受信するまで光の速さんの分だけ時間がかかります。さらにどちらかの人が携帯電話でもう片方の人に「今**時になったね」と電話するにしてもやはり電波の届く時間(=光速)がかかります。もちろん十分短い時間ですけど、それは同時ではなく光が届く時間がかかります。
要するに、離れたところにある物は互いの時間を知るには「光(あるいは電波)」というものを介してでしか知ることはできない。互いの持っている「絶対的な時計」などないのです。
従って「時間とは物と物の間でやりとりされる『相対的なもの』」ということになります。
我々が生きている主な空間では光(または電波)が届く時間が無視できるほどに短いので、我々は絶対的な時刻を共有していると言ってもほぼ間違いではありません。
しかし、カーナビではその違いが生きてきます。微妙な位置の違いは衛星毎の信号を授受する時間が違うことを利用しているそうです。
今後我々は相対性理論が生きてくる領域が増えていくことでしょう。
この革新的アイデアはロックにもつながります。
アインシュタインの革命家としての生い立ちを読むだけでも十分興奮しますし、勇気付けられます。
茂木さんの本はお勧めですよ。
ちなみに、僭越ながら私のペンネームST RockerのSはサイエンス、Tはテクノロジーです。理科系あがりのロッカーというわけで、アインシュタインや茂木さんほどではありませんが、科学の真髄を少しは理解している者としてロックや音楽を捉える楽しみを是非お伝えしていきたいと思っています。
ST Rocker
またそのうち次回のシリーズが始まるかもしれませんけど、まずはこれでおしまいにします。
最終回にふさわしく、テーマは有名なアインシュタインの相対性理論です。
もし人間が昔の(中世くらいまでの)暮らしをしているだけでよしとするなら、相対性理論は要らなく、ニュートンの力学で十分です。
ところが時代は進化し、原子や素粒子レベルの機能を利用した技術とか、宇宙の構造と仕組みを解明するとか、そういう領域に入ってくると、ニュートン力学は成立しなくなり、そこで相対性理論が登場したわけです。
すなわち、物体が光速に近い速さで動くような領域になると、かつて信じられていた「絶対空間」「絶対時間」という概念がなくなり、空間と時間は物体の運動とともに影響され変化するものである、さらに物体の質量はエネルギーに変換しうる(有名なE=mc2の式)という大胆な説を提唱し、実証されました。
従来の物理学のセンスを覆す全く新しく斬新は理論です。
というか、もともとこの世は相対性理論のもと動いてきたのですが、我々人間が捉えられる領域は相対性理論の扱うごく特殊な一部領域(物の運動が光速よりもはるかに小さい領域)に過ぎなかったわけです。
今後相対性理論は、未解明の素粒子間の力の関係を解明するための重要な基盤になりますし、宇宙の解明や核の(平和)応用の可能性をさらに推し進めることができると思います。
相対性理論が導き出されるための大きなきっかけが、光速はどんな場合でも一定という斬新な考え方でした。
物の速さ、例えば音の速さは、状況により変ることが知られています。
正確に言いますと、音を聴く人の立場で音の速さ(すなわち音の高さ)は違ってきます。
電車の警笛や救急車のサイレンなどの音の高さが変るのがその例です。
しかし光の速さはそうした場合でも変らない。どんな状況下でもどんな観測下でも常に光は一定の光速(=毎秒30万km)でしか捉えられない。
この非常に重要な前提のもと相対性理論は展開されました。
ならば、物体の速さが光速に近づいたなら空間や時間や質量は変化せざるを得ない、というわけです。
以上は私も前から知っていたのですが、そもそもアインシュタインは何故そんな発想に至ったのか、従来の物理学の何が背景になっていたのか、彼の特性とは何だったのか。
これまで相対性理論を断片的にしか理解できなかったわけで、それがずっと歯がゆかったのです。
これまで何度か本やいろんな媒体でそれを試みましたが、いまいち理解できませんでした。
先日本屋で何気なく目に留まったのが、茂木健一郎著「あなたにもわかる相対性理論」PHPサイエンスワールド新書、という本でした。
茂木さんといえば著名な脳科学者であり、テレビなどでも斬新な切り口で理論を展開しています。
しかし以前脱税のニュースがあってから少し距離を置いていました。
その本をペラっとめくってみますと、一目で「これはおもしろい!」とわかる内容でした。
この手のタイトルはかつて何度もだまされてきましたから、ようやく相対性理論の有機的理解の指南書現る!と興奮して早速購入したのでした。
読んでみると感触を裏切らない素晴らしい内容でした。
痺れた言葉は、「サイエンスはロックロールと同じ」ということ。
新しい科学の領域を開くのはロックンローラーと同じ革命魂であること。(ここで弊ブログとつながります。)
ただし、ただの反逆児ではなく、世の中への奉仕や人々への愛に満ち溢れていること、粘り強い研究姿勢があること、が重要だと説きます。
アインシュタインは自分が光の速さに近づいたらどうなるかの思考実験を行います。そこで感じ取ったのが「光の速度はいかなる状況でも変らないこと」。
そこまで至る過程と、その後の展開が茂木さんの本でよ~くわかりました。
脱税はいけないことですけど、物事1点で人を判断してはいけませんね。大変な良著です。
相対性理論の詳細はここでは省きますが、おもしろかったことは、「そもそも離れた場所にある二つの出来事が『同時である』とはどういうことか?」という疑問からアインシュタインは具体的な理論の構築を始めます。そして、離れたものが同時であるなどということを客観的に示す絶対的な時間などない、と考えていくのです。
例えば、東京と大阪にいる二人の人がテレビを見てある時刻になる瞬間を互いに確認する場合を考えてみます。
まずテレビが電波を受信するまで光の速さんの分だけ時間がかかります。さらにどちらかの人が携帯電話でもう片方の人に「今**時になったね」と電話するにしてもやはり電波の届く時間(=光速)がかかります。もちろん十分短い時間ですけど、それは同時ではなく光が届く時間がかかります。
要するに、離れたところにある物は互いの時間を知るには「光(あるいは電波)」というものを介してでしか知ることはできない。互いの持っている「絶対的な時計」などないのです。
従って「時間とは物と物の間でやりとりされる『相対的なもの』」ということになります。
我々が生きている主な空間では光(または電波)が届く時間が無視できるほどに短いので、我々は絶対的な時刻を共有していると言ってもほぼ間違いではありません。
しかし、カーナビではその違いが生きてきます。微妙な位置の違いは衛星毎の信号を授受する時間が違うことを利用しているそうです。
今後我々は相対性理論が生きてくる領域が増えていくことでしょう。
この革新的アイデアはロックにもつながります。
アインシュタインの革命家としての生い立ちを読むだけでも十分興奮しますし、勇気付けられます。
茂木さんの本はお勧めですよ。
ちなみに、僭越ながら私のペンネームST RockerのSはサイエンス、Tはテクノロジーです。理科系あがりのロッカーというわけで、アインシュタインや茂木さんほどではありませんが、科学の真髄を少しは理解している者としてロックや音楽を捉える楽しみを是非お伝えしていきたいと思っています。
ST Rocker
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