相対性理論

今回の科学のお話しシリーズ。今日が最終回です。
またそのうち次回のシリーズが始まるかもしれませんけど、まずはこれでおしまいにします。

最終回にふさわしく、テーマは有名なアインシュタインの相対性理論です。

もし人間が昔の(中世くらいまでの)暮らしをしているだけでよしとするなら、相対性理論は要らなく、ニュートンの力学で十分です。
ところが時代は進化し、原子や素粒子レベルの機能を利用した技術とか、宇宙の構造と仕組みを解明するとか、そういう領域に入ってくると、ニュートン力学は成立しなくなり、そこで相対性理論が登場したわけです。

すなわち、物体が光速に近い速さで動くような領域になると、かつて信じられていた「絶対空間」「絶対時間」という概念がなくなり、空間と時間は物体の運動とともに影響され変化するものである、さらに物体の質量はエネルギーに変換しうる(有名なE=mc2の式)という大胆な説を提唱し、実証されました。
従来の物理学のセンスを覆す全く新しく斬新は理論です。
というか、もともとこの世は相対性理論のもと動いてきたのですが、我々人間が捉えられる領域は相対性理論の扱うごく特殊な一部領域(物の運動が光速よりもはるかに小さい領域)に過ぎなかったわけです。
今後相対性理論は、未解明の素粒子間の力の関係を解明するための重要な基盤になりますし、宇宙の解明や核の(平和)応用の可能性をさらに推し進めることができると思います。

相対性理論が導き出されるための大きなきっかけが、光速はどんな場合でも一定という斬新な考え方でした。
物の速さ、例えば音の速さは、状況により変ることが知られています。
正確に言いますと、音を聴く人の立場で音の速さ(すなわち音の高さ)は違ってきます。
電車の警笛や救急車のサイレンなどの音の高さが変るのがその例です。

しかし光の速さはそうした場合でも変らない。どんな状況下でもどんな観測下でも常に光は一定の光速(=毎秒30万km)でしか捉えられない。
この非常に重要な前提のもと相対性理論は展開されました。
ならば、物体の速さが光速に近づいたなら空間や時間や質量は変化せざるを得ない、というわけです。

以上は私も前から知っていたのですが、そもそもアインシュタインは何故そんな発想に至ったのか、従来の物理学の何が背景になっていたのか、彼の特性とは何だったのか。
これまで相対性理論を断片的にしか理解できなかったわけで、それがずっと歯がゆかったのです。
これまで何度か本やいろんな媒体でそれを試みましたが、いまいち理解できませんでした。

先日本屋で何気なく目に留まったのが、茂木健一郎著「あなたにもわかる相対性理論」PHPサイエンスワールド新書、という本でした。
茂木さんといえば著名な脳科学者であり、テレビなどでも斬新な切り口で理論を展開しています。
しかし以前脱税のニュースがあってから少し距離を置いていました。
その本をペラっとめくってみますと、一目で「これはおもしろい!」とわかる内容でした。
この手のタイトルはかつて何度もだまされてきましたから、ようやく相対性理論の有機的理解の指南書現る!と興奮して早速購入したのでした。

読んでみると感触を裏切らない素晴らしい内容でした。
痺れた言葉は、「サイエンスはロックロールと同じ」ということ。
新しい科学の領域を開くのはロックンローラーと同じ革命魂であること。(ここで弊ブログとつながります。)
ただし、ただの反逆児ではなく、世の中への奉仕や人々への愛に満ち溢れていること、粘り強い研究姿勢があること、が重要だと説きます。

アインシュタインは自分が光の速さに近づいたらどうなるかの思考実験を行います。そこで感じ取ったのが「光の速度はいかなる状況でも変らないこと」。
そこまで至る過程と、その後の展開が茂木さんの本でよ~くわかりました。
脱税はいけないことですけど、物事1点で人を判断してはいけませんね。大変な良著です。

相対性理論の詳細はここでは省きますが、おもしろかったことは、「そもそも離れた場所にある二つの出来事が『同時である』とはどういうことか?」という疑問からアインシュタインは具体的な理論の構築を始めます。そして、離れたものが同時であるなどということを客観的に示す絶対的な時間などない、と考えていくのです。

例えば、東京と大阪にいる二人の人がテレビを見てある時刻になる瞬間を互いに確認する場合を考えてみます。
まずテレビが電波を受信するまで光の速さんの分だけ時間がかかります。さらにどちらかの人が携帯電話でもう片方の人に「今**時になったね」と電話するにしてもやはり電波の届く時間(=光速)がかかります。もちろん十分短い時間ですけど、それは同時ではなく光が届く時間がかかります。

要するに、離れたところにある物は互いの時間を知るには「光(あるいは電波)」というものを介してでしか知ることはできない。互いの持っている「絶対的な時計」などないのです。
従って「時間とは物と物の間でやりとりされる『相対的なもの』」ということになります。
我々が生きている主な空間では光(または電波)が届く時間が無視できるほどに短いので、我々は絶対的な時刻を共有していると言ってもほぼ間違いではありません。
しかし、カーナビではその違いが生きてきます。微妙な位置の違いは衛星毎の信号を授受する時間が違うことを利用しているそうです。

今後我々は相対性理論が生きてくる領域が増えていくことでしょう。
この革新的アイデアはロックにもつながります。
アインシュタインの革命家としての生い立ちを読むだけでも十分興奮しますし、勇気付けられます。
茂木さんの本はお勧めですよ。

ちなみに、僭越ながら私のペンネームST RockerのSはサイエンス、Tはテクノロジーです。理科系あがりのロッカーというわけで、アインシュタインや茂木さんほどではありませんが、科学の真髄を少しは理解している者としてロックや音楽を捉える楽しみを是非お伝えしていきたいと思っています。

ST Rocker
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テーマ : 宇宙・科学・技術
ジャンル : 学問・文化・芸術

素粒子と宇宙

最近音楽ではない話題が続いていてスミマセン。
このブログでは、科学と音楽の関係とか、日本人の進むべき道などと音楽の楽しみ方を密接に考えておりますので、もう少しだけご辛抱ください。

1月に入院中にはいろんなことを考えました。
確率は随分少ないものの近いうちに死ぬケースもあったため、一応それ向けの自分の身の振り方や考え方をシミュレートする必要がありました。
生まれてから一番しんどい作業でしたけど、その一方、普段は何でもなく食べられる物がこんなにおいしいのかとか、人の小さな親切にこんなにも感動するのか、とかそういうプラスの面をたくさん感じ、トータルとしては幸せな気持ちになれました。

入院中にはテレビもいろいろ観ましたが、ワイドショーとか16:53からやっているニュースとかバラエティーの類はおもしろいと感じませんでした(その割には、日常に戻った今、そうした番組を再びおもしろく感じています。我ながらゲンキンです)。
テレビでも本でも、なぜか基本的な学問ほどおもしろく、感動しました。
その中でも究極が物理、そのまた根源が素粒子と宇宙のテーマでした。
これらの本を読んだら何とも言えない幸せ感を得ました。
人間とか地球とかの俗世間を超越した真理の追求こそ幸せなんだと感じました。

宇宙(=超マクロ)と素粒子(=超ミクロ)は一見両極端で関係なさそうに見えますが、結局は同じことなのです。  人間全体と細胞の関係にも似ていると思います。
素粒子に関して日本人のノーベル賞受賞者の人たちの成したことをしっかり理解もしたかったこともあります。

今まで何がわかっているかはよく理解できました。
しかし、暗黒エネルギーとか宇宙の膨張は何故加速しているか、などの「新たな大きな謎」はまだほとんど解明されていません。
これからの人間のチャレンジだと思います。

テーマ : 思うこと
ジャンル : 学問・文化・芸術

夢の扉(再び、再び)

私は特定のものだけよく言い続けるのはあまり好きではないのだが、TBSテレビの番組「夢の扉」(日曜18:30~)はいくら賞賛してもしきれない番組だ。
何故そう思うのかは、同じタイトルの以前の記事を参照いただきたい(お手数かけます)。

一昨日の内容は「英語を教える幼稚園」との予告だったので、「いよいよ夢の扉も種尽きたか」と思ったら、なんのなんの、これまでと同じく、いやそれ以上に素晴らしい内容であった。
主人公は庄司日出夫さんという62歳の方。山梨の河口湖付近で幼稚園を経営されている。

目的がすごい。昨今言われている小学校英語教育の延長などでは全然ない。
国際的に活躍できる日本人を育てようというものだ。
英語は現在の国際公用語だと割り切り、国際的に活躍するには道具としての英語を駆使できることが必須である。
それを最大限の効果で実現しようというものだ。

幼稚園内での会話は全て英語である。
ただし、英語を教えない! ここがポイントだ。
物事を教えると学ばない、逆に教えなければ自発的に学ぶ、と庄司さんは強調する。
先生は質問に対しては丁寧に答える。

もう一つのポイントは、特定の目標やカリキュラムを設定しないこと。
先生は何かのテーマを示すが、そこから何をディスカッションするかは園児の自主性に任せる。
先生はガイドはするがティーチ(=教える)はしない。
この考えは、教育大国のフィンランドと同じらしい。

庄司さんの計画としては、英語で話す領域を幼稚園や小学校だけに留まらず、小さな村を作り、その中を全部英語で話すようにしたいというものだ。
韓国からの実習生の受け入れやフィンランドからのサポートも得られる見込みである。

私も学校卒業以来ずっと外資系企業で過ごしてきたから、道具としての英語の重要性をよく理解している。
しかし悲しいかな、日本人の場合、一部の人(海外で長年暮らしたような)を除いて、頭でっかちでひ弱な英語である。
要するに、英語の試験で高得点を取るような発想の英語である。
それに対し、同じアジアでも、台湾、韓国などの企業人の英語は発音こそ悪いが、地に足の着いた道具としの逞しい英語である。
日本がまだ半導体大国である時代から既に彼らは逞しい英語を話していた。そして今や半導体そのものも日本の地位が危うい。

日本人ははっきり言って今でも優秀である。
夢の扉がこれまで紹介してきたように、すぐれた発想をする人たちがいっぱいいる。国際的にも十分太刀打ちできる発想の数々だ。
これから日本は、弱点である、国策、政治力、外交力、英語を強化するべきであり、それができれば名実共に世界一になるはずである。

英語に関しては庄司さんのやり方がベストかどうかわからないが、これほどの卓抜した発想をもって事を進めなければだめだ。
是非頑張っていただきたい。

夢の扉は毎回視聴者を裏切らない。
是非一度企画の人にお会いしたい。

テーマ : ビジネス
ジャンル : ビジネス

久しぶりのカラオケ

一昨日の金曜に久しぶりに飲む機会があり、そしてその後カラオケにも行きました。
なにしろアルコールは1月9日に飲んで以来でした。
こんなに長い間断酒したのは18歳の前半以来と思われます。

ここまでの我がお酒人生は実に波乱に富み、悲喜、喜怒哀楽、入り乱れて参りました。
よくも悪くも今の自分を形成する重要な要素であったことは間違いありませんので、全て後悔はしていません。

しかし一方では、健康面から言えば断酒は絶対に必要なことです。
今回の病気のようなことがなければ断酒の機会を失っていたことでしょう。

実際に1ヶ月半も断酒しましたら、体によいことをすごく実感できました。
同時に食べ物の量や質も改善したので、そちらの効果もあることでしょう。

一応理科系出身ですので、体の中で何が起こっているのかある程度想像できます。
アルコールというのは(ある一定量を超えれば)体にとって異物であるために、人間の体はまずは異物を解毒、排出することを優先させます。
アルコールが体内にある以上、そちら対策のためにエネルギーや機能が注ぎ込まれるわけです。
肝心な栄養の摂取や基礎代謝などの作用が後回しになってしまうんですね。
アルコール以外にも過剰な脂分ですとか、人工的な飲食物や薬物などの物質も、異物として人体はその解毒、排出を優先させるのだと思います。
その結果、肥満や病気が起こり易くなるのだと思います。

私はこの1ヶ月半、適正体重に戻り、太りにくい体となりました。感触として、食べた物が順調にエネルギーや栄養になっている感じがします。
気のせいか髪の毛も再び生えてきました。髪の毛への養分の供給は人体の中でも一番後回しだと言われています。よって人体が十分に健康でないと髪の毛まで栄養が回らないということでしょう。
私はこの数年、髪の毛を短くしないと見映えが悪かったのですが、もしまた濃くなれば、少し長く伸ばしてみたいですね。ロッカーですからね。

一昨日は実に久しぶりにちょっとアルコールを飲みました。特に最初のビールが飛び上がるほどうまかったですね。
「酒は百薬の長」と言いますから、これからは飲むしても適量。インターバルも十分に開け、惰性で飲むようなことは絶対に避けます。
カラオケではやはり高音に興味が集中しました。
こちらもかなり久しぶりだったので声の安定感がなかなか出なかったのは仕方ありません。
でもそんな中ではまあまあでした。

Don't Let Me Down、Let It Be、I've Got a Feeling、Oh! Darking、Rock'n'Roll(ツェッペリンの曲)などの定番をざっと歌いました。
Don't Let Me DownとLet It Beは裏声でなくバッチリ出ました。お陰でこの2曲は卒業です。
I've Gotのサビの絶叫はややごまかし気味ながらまあまあOK。あの高音と超低音のEのオープンポジションでライブ演ってみたいなあ。
Rock'n'Rollもごまかしだが、まあまあOK。とにかく「できるんだ」という気持ちで臨むと高音は本当に出ます。
唯一ダメだったのが、Oh! Darlingの最後の「レ」。こいつは全然出ませんでした。
でもまあいいか。なぜなら、ポール自身もこの音を後で一度も再現していないので(多分)。
69年から70年にかけ、ポールは超高音に挑戦し、レコード上ではその成果を得たものの、ライブでは再現不可能でした。
あそこまで無理しなかったら、その後のライブでもっと魅力あるボーカルを披露できたかもしれないことを考えると、複雑なものがあります。

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Coffee Break Beatles No.87 「ポール 2007 ロンドン公演」

昨日夜10時からNHK BS Hiでポールの2007年のロンドン公演をやっていたので観ました。
前日に会社の音楽好きの先輩が「明日やるからね」と親切に教えてくれたので、見逃さずに済みました。
BSの番組は大体はフォローしているつもりなんですが、地上波番組もフォローする中、どうしてもたまに見逃しがあるんです。
そんな時にありがたいお声かけでした。

ロシアの公演の印象が強かったので、その延長をイメージしていました。
たしかにその延長ではあったのですが、正直「さすがにポールも歳だなあ」と思わずにはいられませんでした。
65歳からすれば相変わらず十分に若い外見と演奏ではありますが、ここのところの若干の衰えは見て取れました。

最近の公演のパターンに同じく、ビートルズナンバーが中心で、当時の新譜である"Memory Almost Full"からも紹介するという構成でした。
「ビートルズ七光り」の部分はどうしてもあります。でもファンはそれを待望しているわけですから、それでいいのだと思います。

ただ、ビートルズナンバーの歌い方が最近ワンパターン化してきたきらいがあり、そしてそれはやや枯れた感じは否めません。
っていうか、ポールは69年、70年あたりに無理して声を出しすぎ、喉をつぶし、さらに解散して緊張が解けたのか、それ以降は声の魅力は下がり、攻撃的なロック魂が失せたような演奏ぶりが目立ってきました。既に76年の"USA Live"あたりでは、妥協のボーカルのような感じになっていました。

ポールのすごいのは、あくまで楽器を弾きながら歌うことにこだわるところです。
ヘフナーベースの構えも未だに健在でありカッコいいです。
しかし歳は隠せず、立って演奏しながら歌うことにややしんどさが見えてきました。
ボーカルが犠牲になる部分もあり、「いっそこれならオレが歌った方がまだマシかも」と思う部分もありました。

しかし座ってピアノで歌うのは、体力を使わないせいか、まだまだバッチリです。
Lady Madonnaなどはあのリズムを刻みながら独立したボーカル。さすがですね。

それとあの超忙しいベースワークのI Saw Her Standing Thereを余裕の指使いで、これも独立したボーカルをしっかり取る。これも毎度のことながらさすが。
この曲はまさにビートルズの夜明けを象徴する曲であったわけで、それが健在なのはポールまだまだすたれず、ですね。

うれしかったのは、Blackbirdの弾き方が私が自分でコピーした弾き方と、左手も右手もほとんど同じであったこと。

バックのバンドもよいバンドだと思いました。しかし後でルーフトップ(69年のアップルビル屋上での演奏)の動画を見たら、やはりビートルズの曲はビートルズのメンバーでなければだめだ、と強く思いました。なぜか、ビートルズの曲の演奏を、ポールのバックのバンドの方が魅力的に奏でたというのをほとんど感じたことがありません。

また、ルーフトップは見れば見るほど名演です。各メンバーともしっかり指が動いています。
例えばDon't Let Me Downのポールのベースなどは、リードギターであるかのように複雑なメロディーを奏でているし、それと独立したボーカルも取っています。
微妙な関係にあった彼らが見せた名演であり、脂の乗り切った時期でもありました。
あの日のロンドンはそんなに寒くなかったのではないでしょうか。寒かったらあそこまで指が動かないと思います。

テーマ : ビートルズ関連
ジャンル : 音楽

ビートルズ解析例 その14 「類稀なるメロディーとは」

本ブログでは、ビートルズの音楽が何故かくも心地よく聴こえるのか、そしてどうしたらビートルズの音楽を超えられるのか、について科学的な(理科系的な)解析をもって解明しようというものである。

言うまでもなく、ビートルズの成功の要因は一通りでなく、様々な方面から解析できるのである。それだけ多彩に活動したから、多彩な面があったから成功したとも言えるのだが、ここでは、純粋に音楽面に関して主たる要因を解明することにある。しかもその解析の過程は理科系の王道を行くべく、仮説を実証すべく定量的な検証を行うことを重要とする。

「理科系的」というのは「奇をてらった」という意味ではなく、本来何ごとも(対象が科学であろうが政治であろうが芸術であろうが)解析する際に重要な捉え方だが、我が国では文化・芸術面の解析は文科系的に行われがちである。本ブログはそれへの挑戦でもある。

よって本当は専門的解析の装置や手法を取り入れて行うのが理想ではあるが、まだそれはできていない。ここまでは私の耳と目で解析した事柄である。
だからまだまだ仮説の域を脱していないので、そのへんは十分に差し引いて読んでいただきたい。

これまでの解析結果の要約は、ビートルズの曲の音の分布は「きれいな三角形」になっていること。三角形の下ほど低音で横幅は音の密度である。
曲の音全体がきれいな三角形になっていることが必要だし、個々の音を構成するパーツもきれいな三角形になっている方がよいだろう。
ちょうど体育祭のピラミッドゲームを想像していただくと、生徒の一人ひとり、数人の塊、そしてピラミッド全体の形がきれいな二等辺三角形である方がよい、との仮説を立てた。
三角形には欠損などなく滑らかがよい。つまり音が低いほど密度が高いと同時に、細かく音が分布していた方がよい。
(以上、詳細は「ビートルズ解析例」の以前のパートを参照されたし。)

その後、内外のいろんなアーティストの音楽を聴きまくったところ、きれいな三角形を作っているのはビートルズだけではないことがわかった。
声だけに限れば、きれいな三角形の声の人はいっぱいいるし、低音領域を豊富に出すアレンジの曲もいっぱいある。J-Popもよい水準だ。
音のプロデュース的にもビートルズより厚いアーティストは結構いる。
少し古いが、カーペンターズなどはビートルズ以上にきれいな分布だし音が厚いと思う。
J-Popのアーティストの中にも、低音をもっと厚くすればビートルズ以上に全体がきれいな三角形になりそうな人もいた。

従って、「きれいな三角形」はビートルズの音楽の中で重要なものではあるが、これさえ満たせばビートルズ的になるわけではない。もう一つの大きな要因があるはずだ。
そんな時、体調を崩してしまい、しばらく加山雄三の映画「若大将シリーズ」を観まくっていた。
加山氏は尊敬する人の一人であり、病床で「ではオレもまた作曲やってみるか」と思い始めた。
高校の頃はシンガーソングライターになりたくて母親を困らせた私だったけど、作曲に関してはすぐに諦めてしまった。

思ったことは、素人が自然に思い浮かぶメロディーは陳腐なものでしかない、ということだ。人に訴えるメロディーは、他に例があまりなく、容易には想像できないメロディーである。
だから極端な話、素人が考えるにはあまり自然ではない音を選んだ方が斬新に聴こえる。
最終的にプロ級の粋なメロディーを生むには、多様の音楽を聴きこんでいる背景で、無理なく創造性が発揮できるまで自然体で構えること(スポーツや仕事上での創造性と同じ過程を辿る)。
以上のような仮説を最近立てた。

このような観点からビートルズの曲を眺めると、他のアーティストには例を見ない独創的なメロディーが多い。
中期の頃までは正直、駄作的で大したことのないメロディーの曲もあった。
そんな曲の最後Doctor Robertあたりだろうか。しかしこの曲、リズムギターが粋なのでメロディーを十分カバーしている。

ある曲のメロディーの程度を分類するとすれば、伴奏楽器で和音を弾いていれば容易に出てきそうな陳腐なもの、なかなか容易には出てきそうなもの、そして決して普通の人には出てきそうもないもの、の3種に分けられると思う。
そしてビートルズには3番目のタイプが他のアーティストに比べ随分多いと思う。Hey Jude、Lady Madonna、In My Lifeといったスタンダードもそうだし、Get Backのようなロック調のものでも他に例を見なく決して作れそうもない曲がたくさんある。

これらの曲はおそらくは決して普通の人が口ずさみ出てくるものではないだろう。多くの人々の既存の発想の延長にはないのだ。
予想としては、音程とリズムの取り方が非常に特異的なところを押さえているのだろう。次は是非この点について詳細に解析してみたい。

余談としては、解散後ポールの曲にはやや陳腐なメロディーの曲が多くなった。
例えば、Red Rose Speedwayに収められているSingle Pegionという曲は、ピアノのコードを弾く延長で出てくるようなメロディーだ。
ビートルズ時代はこういう曲はなかったように思う。
ビートルズ時代には安易な発想が許されない環境もあったと思う。そしてそれを探ることもまた興味深い。

テーマ : ビートルズ関連
ジャンル : 音楽

雪大して降らず

なんだかんだ予報がめまぐるしく変りましたが、結局こちらではほとんんど雪は降りませんでした。
太平洋岸を低気圧が通る場合は結構予報が難しいんですよ。
低気圧の通るコースとその強さで結構変るんです。

自分のいる少し南に渦巻きがあることを想像してください。
その位置や強さがちょっと変っただけで、風向きと風の強さが変るでしょう?
雪か雨かって、3℃とか4℃の微妙な差で変りますから。

そんなわけで、3年前に購入したスタッドレスタイヤは結局何も本来の仕事をせず終わりそうな雰囲気になってきました。

テーマ : 日常日記
ジャンル : その他

Coffee Break Beatles No.86 「ああやっと雪」

私の住む南関東は日本の中でも最も雪の少ない所の一つである。
北西の季節風が、日本で最も高い背骨(北アルプス等一体の山々)に阻まれ、その手前で全部降ってしまうので、冬型の気圧配置では関東は乾燥した晴天が続く。
南国の九州や四国は雪が降らないというイメージが持たれているが、山が低い分だけ冬型の気圧配置でも雪の降る機会は関東よりは多い。

関東などの太平洋側で雪が降るのは主に、低気圧が太平洋岸に沿って進む場合だ。むしろ2月、3月に多い。北東側から湿った北風が入り込むからだ。

しかし、気象マニアである私から言わせていただくと、ごく稀には冬型の気圧配置が大変強まると、雪雲が関東平野まで流れ込み、前橋あたりでも雪になることもある。
そしてごくごくごく稀には東京でもこのメカニズムで雪になることもある。
事実、先日の斉藤ゆうちゃんが鎌ヶ谷の二軍の寮に入った時の雪はこのメカニズムだし、水戸でも同様に降った。
さらにおもしろいのは、季節風が本州を超えると再び湿り気を含み、伊豆七島あたりで雪を降らせることもある。

今夜遅くから南関東で降る雪は太平洋岸を進む低気圧によるものである。
実に久しぶりにまとまって降ることになる。
今年は大雪で苦労されている地域が多いというのに関東だけは例外だった。
ちょうど3年前に買ったスタッドレスがようやく実質的に活躍する時が来た。
この3年はごくたまに少しは降ったが、実質はほとんど無かった。

ビートルズの2作目の映画Help!では、オーストリアアルプスでのロケが印象深い。
母国イギリスでも雪は降るが、量は多くないだろうし、山がほとんどないのでスキーはイギリス内ではあまりやれないだろう。
なのでビートルズたちはあの時点ではスキーの初心者だったろうけど、それにしてはうまく滑っていた。
今や有名になったカーリングのシーンもこの映画で映されていた。

カーペンターズのデビュー曲Ticket to Ride(ビートルズ曲のカバー)のプロモーションフィルムでも雪の中の映像が映し出されていて、印象深かった。

さて、これから我が家の周りではどんな雪景色になるのだろうか...。
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ジャンル : 音楽

夢の扉(再び)

私は決してTBSの回し者ではありませんが、番組「夢の扉」の賞賛の辞を再びしたためます。
前から申していますように、我が国日本には優れた発想の持ち主がたくさんいまして、国策さえ整えば再び技術立国世界一の座を取り戻し、多くの国内の難問を解決することができるはずだと考えます。
そんな発想(およびその実用化のための道程)を紹介している素晴らしい番組がTBS日曜18:30からの「夢の扉」です。

これまで放映した分のおさらいをするだけでも相当な価値があるでしょう。
昨日の放送では、新宅光男氏(60歳)という靴下メーカーの経営者の方が、健康によい靴下の販売ないしは開発をしているというお話でした。
何もノーベル賞級の研究ではなくても、その発想の卓抜さと世の中への影響力から言えば大変価値のあるものです。

新宅氏は、保温靴下、転倒防止靴下などを既に販売し、現在は大学と共同で何とストレスを低減する靴下を開発中とのこと。
その試作品は既にできていて、モニター評価の段階です。
足の甲の部分を固く縫うことにより、つま先が持ち上がり、蹴りが強くなることで血流が増しストレスが低くなる、という仮説です。
実証効果も出始めています。
私も是非試してみたいと思います。

最近ではまた、スイゼンジノリという水生植物の組織が著しい保水力があることを見出し、画期的な製品を開発している元主婦の人が紹介されていました。

とにかく必見の番組ですよ。

Coffee Break Beatles No.85 「カポタスト」

カポタスト、略して「カポ」、は我々シニアギタリストには必須(だった)アイテムである。
なにしろ、中学や高校でギターをやり始めた頃は、カポなしには演奏できなかったと言っても過言ではないし、教則本もカポ使用を前提に書かれていた。

カポの目的の一つは、容易に所望の調に転調できること。簡単なオープンコード奏法をベースにキーを合わせられること。初心者向けの技法である。
もう一つの目的は、特定のフレット領域、例えばミドルポジションやハイポジションを集中して弾く場合に、人差し指のバレーコードに比べ自由度が出る分、多彩な奏法を可能にすること。

ビートルズの曲において、カポが使用されたのは、私の知る限りHere Comes the Sunしかない。
カポを7フレットに装着してDのオープンフォームで弾く。するとあのようなハイポジションのウクレレのような高くて固い音のギターのメロディーとストロークの合わさったサウンドが得られる。
あと、Girlもそうだろうか?
聴いた感じではI'm Looking Through Youもそうだろうか?
どなたか、ビートルズのカポ使用の曲、ご存知でしたら教えてください。

いずれにしてもビートルズはほとんどカポを使用しなかったのは事実である。何故か。
考えられる一つの理由は、ジョンのリズムギターはカポを使わなくても、ローポジションもハイポジションも大変表情豊かであったこと。
それにリードギターやその他の楽器が加わり、そのアイデアだけで十分な表現であったと思われる。
ビートルズならずとも、エレキギターの奏者は、極端な話、2音だけでも十分な表現ができる。

生ギターのみで、アルペジオや3フィンガーを多様する場合は、カポは要るかもしれない。
でもビートルズはフォーク調の曲においてこの考えに挑戦したのだと思う。
例えば、Black Bird、Mother Nature's Sun、Two Of Us。
これらの曲はカポを使わないでローからハイポジションを縦横無尽に弾きまくっている。
発想はエレキだと思う。

ギターのやり始めで苦労したコードは皆さんFやB♭だと思う。1フレットのバレーで。
でもビートルズではこれらのコードをあのフォームで弾くことはほとんどない。
オープンフォームでEやDを弾くのは多いが、1フレのFやB♭はほとんどない。
オープンフォームのCもほとんどない。
2フレのBmもあまりない(Dig a Ponyは例外。あれはいい)。しかし2フレのF♯mは一杯出てくる。
おそらく、どのフォームだとカッコいいのか、よく知っていたと思われる。
ビートルズは、コードネームさえ合えばよいのでは全然ない。だからおもしろい。

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Coffee Break Beatles No.84 「屋上でベースのうなり」

しばらく間接的なビートルズについて書いたので、今日は久しぶりにビートルズそのものの話題です。

ベースはなるべく多彩な音(音階も音色も)を出した方がその曲は心地よく聴こえる、という仮説を出しました。
その効果が最も出ていると思われる曲の一つが、アップルビル屋上で演奏したDon't Let Me Downです。

ご存知のように、あの演奏シーンではポールは久しぶりにお気に入りのカールヘフナー製500-1型ベースを用いました。
ソリッドベースよりも音程のわかりにくいモコモコとした音が出ます。音色は温かみがあります。
音程がわかりにくいのは、おそらくセミアコースティックボディーであるために、音の分布が広がるためと思われます。

この曲、コード進行は割合シンプルなのですが、ポールは忙しくいろんな音を出します。
ほぼ全域ハイポジションで、ありとあらゆるベースメロを奏でます。
どの回も同じメロはないと言っても過言ではありません。

屋上ライブではこの曲を3回演奏しました。
3回とも違った味付けで演奏および歌っているんです。すごいですね。
CD "Let It Be Naked"では、この曲は3テイクのいいところだけつないだそうです。
にもかかわらず全く違和感なく聴こえます。ペース自体一定していないとできない技です。

このポールの多彩な音のベースとセミアコの特性により、この曲はどっしりとした「三角形」になっているようです。

テーマ : ビートルズ関連
ジャンル : 音楽

再び、作曲とは?

ビートルズの曲の多くはなぜ頭に残るのか、という疑問に対する答えの候補として、他に例を見ない音選びがされているからだ、と今考えています。
勿論それだけでなく、私がかねてから申し上げているように、音の分布がきれいな三角形であるなども満足してのことだと思います。

自然に口をついて出てくるメロディーというのは(私の場合は)、どうしてもありきたりでつまらないメロディーになりがちです。
試みに、わざと「変な」音を選んだところ、生まれて初めてオリジナリティーがあってかつカッコいいメロディーを生み出すことができました。(まだまだほんの少しですけどね。)

しかし、こんなことだけで名曲が生まれるものでしょうか?
そんなことはないはずです。
音楽に限らず、仕事やスポーツにおいて「独創性とは何か?」をずっと考え、もがき苦しんできた上での結論は、「独創はさんざんの模倣の末に自然に生まれる」でした。

どんどん人のマネをして、いろんなエッセンスを体得し、全体像を見渡せるようになって初めて独創性が生まれた経験をしました。しかも、その段階になれば独創性はそんなに苦労してひねり出さなくても、自然に出てくるようです。

ビートルズはいろんな音楽を聴きまくったそうです。
若いうちからいろいろ聴きまくって模倣していくうちに、オリジナルな作曲に結びついていったことでしょう。

じっくり頑張っていきたいものです。

テーマ : 音楽
ジャンル : 音楽

プロフィール

ST Rocker

Author:ST Rocker
ビートルズ解析ブログへようこそ!
つくば-千葉-さいたま の三角形を行き来していますす。
モットー:理系なのに熱く音楽、政治・経済を語る。
酒と冒険と音楽をこの上なく愛し波乱万丈の人生を送るB型です。
ご気楽にコメントください。

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