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財政危機に一石を投じている先生

みなさまおはようございます。
週末といえば台風のような記憶ばかりでしたけど、今回の週末はよい天気ですね。
いかがお過ごしですか?

さて、財政のお話です。
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(まず初めにお断りですが、今回の記事において数字その他若干誤りがあるかもしれません。正確なところは成書その他の専門の情報でお確かめください。考え方として捉えていただけますと幸いです。)

政府の負債は1,000兆円を超えさらに増え続けています。
もちろん危機的状態です。
これに対する論調としては大きく分けて2つあります。下記のようです。

1.間もなく国家破産またはハイパーインフレになるというような超危機状態だとする論調。
2.日本全体としての資産は債務よりも上回るので、実は問題ではないとする論調。

全く正反対の考え方ですね。
以前からとっても不思議に思っていたことですし、大きな関心があります。
日本人全体としては危機的意識が高いと思います。
しかし何をどのように考え、どうすればよいか、とてもわかりにくいですよね。
1と2の比較検討の話は後述します。

いずれにしても、財政は1990年以降、歳出の増え方が歳入の増え方よりもスピードが大きいいわゆる”ワニの口”の状態が続いています。
この状態はなぜ起きたのか、そしてどうすれば解決の方向に向かうのかを考えなければいけないことは間違いありません。

これまでその理由につきさまざまな人が意見を言っています。しかしどうもこれと言った明快な考え方を聞いたことがなかった気がします。

解決の方法についても様々な意見があります。
そんな中、僕が感銘した先生は明治大学の田中秀明先生です(元政策研究大学院大学におられました)。
田中先生の提唱は財政をガラス張りにして管理を強めることです。
当ブログでも紹介しましたので、お時間のある方はカテゴリ「政治経済」をご覧ください。(例えばこの記事です。)
そしてアベノミクスも財政危機の解法の一つです。

以上まとめますと、財政の危機はよくわかってはいるものの、なかなか自分の問題と考えるほどの緊迫した状態ではないし、その原因も解法も、さらには上記2の見解との関係もよくわからなかった・・・そんな感じであったように思います。

僕としてもしばらくよいアイデアがなかったのですが、昨日のBS朝日の「激論クロスファイア」はとっても刺激的でした。田原総一朗さんの番組です。
出演者は東京工業大学・橋爪大三郎先生と慶應義塾大学・小林慶一郎先生でした。
橋爪先生のお話は初めて聞きました。社会学が専門とのことです。
小林先生は経済学の先生で、日経新聞等に盛んに寄稿しておられます。

この度両先生は『ジャパン・クライシス』(筑摩書房刊)という本を共著されました。
田原さんにとってこの本がすごいインパクトがあったため、昨日の番組に出てもらったということです。
僕はまだこの本を読んでいません。

両先生の説くところは、財政の危機は超ヤバく、このままだと間もなくハイパーインフレが起きるという、上記1の論調の中でも最大限の危機派です。
言うなれば、日本人の一人ひとりから800万円の借金を政府はしているが、このままだと間もなく踏み倒すことになるだろう、と。
財政の危機を誰も(国民も政府も)自分の問題として考えていないこと、そしてごく一部の人間がその危機を把握しているがそれを国民に知らしめないことが問題なのだ、と。
さらに、アベノミクスは第三の矢がうまく行くならいいが、行かなかったら単なる火遊びだ、と。太平洋戦争で言う真珠湾攻撃のようなものだ、と。
もし経済状況が今のまま続くとしたら、財政を解決するには33%の消費税を取らないとだめだ、と。(この点に関しては政府からもデータが既に示されているそうです。ただし「消費税33%」という言葉は使わないで「DDPの**%」という言葉を使って。)

昨日の番組では、なぜワニの口が広がっているのかについてとても明快な解説が、橋爪先生を中心にお話しされていました。
かいつまんで言いますと、1990年に財政赤字を解消する方法として公共事業に力を入れたのはよかったのですが、経済の原則としてはその直後には税収等ですぐにリカバリーを行わなくてはいけないのにそれを怠ったこと。しかも同じ状態で20年も続いてしまっていること。
もう一つの理由は、1990年までは日本は他国に競争相手があまりいなかったのでよかったが、冷戦終結後はいろんな国が台頭したので、日本の産業構造、経済構造を変えないと旧来の公共事業ベースの政策では太刀打ちできないのに、それを怠ってきたこと。
要するに、アベノミクスで言う第3の矢は20年前からとっくに必要だったのに、アベノミクスという美名のもとに勃興されるなどとはとても思えない、というわけです。
第3の矢がもしうまくいかなかった場合の大胆な第1・2の矢はまずいというわけです。

解決としては国民に事実を知らしめ、増税を受け入れること、と両先生は説きます。踏み倒されるよりは増税に協力の方がまだいいからです。
そして真の意味の成長戦略をしっかり練ること。

大体以上のような論法でした。
どちらかというと、ワニの口の原因の解明の方が素晴らしいと思いました。

印象的だったのは橋爪先生のしっかりとした語り口ですね。
とても明晰だと感じましたし、データベースでしっかり物を言っておられると感じました。
そして「もし専門の先生がちゃんと言ってくれたなら、私のような門外漢がしゃしゃり出る必要もないのです。」という言葉が印象的でした。

ただ昨日の番組では上記2の見解(資産と債務の関係)の話が一つもありませんでした。そこが残念でした。
本には書いてあるのでしょうか。

最後に2の問題に少し触れましょう。
日本の国の政府、企業、個人の全てを包含した国としての貸借対照表(バランスシート)を考えてみます。
政府の借金は確かに負の債務として計上されます。
しかし日本の国債はほとんどが国内に売られています。銀行や生保が主ですね。
ですので、政府の負債は一方では銀行等の資産としても計上されるのです。
国債を海外に多く売った場合はこうはなりませんが、日本は資産としても計上されることが特徴です。

さらに、企業等が海外に貸し付けているお金がたくさんありますので、それが資産として計上できるのです。
こうして日本全体のオーバーオールの資産と債務の合計はどちらも5千何百兆円であり、資産の方が数十兆円上回ります。しかも上回り分は年々増えているそうです。
要は、全体としてはお金は余っているとも言えます。
政府の負債はその一部と言えます。

政府の負債の部分だけ見るともちろん直さないといけないのですが、
バランスシートを見渡せば、財政の部分だけの議論ではなく、全体としてどうしようか、という議論になるはずです。
しかしこの議論にするためには相当な力量をもったリーダーが出ないとだめでしょう。
企業や各個人は自分のことで精いっぱいですから、これら全体をマネジするのは並大抵ではないでしょう。
財政の部分のみでもリーダーシップが欠けているのに、ましてや国全体の資産・債務管理など大変ですね。

これからは、1と2の関係をどう考えていくかに注目していきたいと思います。
今日はこのへんで。
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テーマ : 日本の未来
ジャンル : 政治・経済

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No title

ST Rockerさん、こんばんは♪
また1週間が始まりましたね。
ポテ子は週明け、いきなり残業からスタートです(泣)
でも、週末ちょっとした楽しみがあるので頑張れるかな(*^_^*)

ところで今日のお話も勉強になりました。
例えば「ポテ子には全く貯金がありません。
でも、Aさんに100万、ST Rockerさんに50万貸しているので
裕福です」というふうにはならないですもんね(笑)

一方で消費税を30%にまで引きあげないとダメなんていう論調。
その分、お給料も上がればいいんですけどね(^_^;)
経済が活発にならないと、財政はいつまでも苦しいでしょうね。
経済が活発にならないのに一部で超お金持ちがいるというのも
ポテ子には不思議なことです(^_^;)

ポテ子さん

おはようございます。
いきなり残業からスタートですね。
いやいや本当に大変そうですね。
でも週末にちょっとした楽しみ? いいなあ~、いいなあ~

さて、今回もご丁寧かつ示唆に富んだコメントをとてもうれしく思います。

まず貯金のお話はとてもよい喩えですね。
日本は資産(金を貸している)が多いからお金があるとは一概に言えませんものね。
貸しているお金が焦げ付いていないかとか、どれほど健全なものか、とか。

消費税33%は、何の成長もない今の状態が続くとすればこれだけ払わないといけないという理論上の計算です。
給料が上がるような経済の発展があればGDPそのものも上がるので、消費税をそんなに上げなくても税収は増えるでしょう。
あるいは、北欧のように強力なリーダーが現れ、お金の構造を国民にきちんと説明し、税金の使い道のしっかりとた仕組みを作れば、とても高い消費税と厚い社会保障の両立ができるのでしょうね。

経済が活発にならないのに一部のお金持ち。おっしゃるように不条理ですね。
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Author:ST Rocker
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つくば-千葉-さいたま の三角形を行き来していますす。
モットー:理系なのに熱く音楽、政治・経済を語る。
酒と冒険と音楽をこの上なく愛し波乱万丈の人生を送るB型です。
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