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ビートルズ解析例 その12 「AならばB(命題の論証)」

ここ数日、理科系・技術系的考えの基本として「物事の正しい論証、定量的扱い」をキーワードとして挙げました。
今日は、その中でも重要な部分を占める「命題の論証」について紹介させていただき、そしてビートルズに関する命題を考えていきます。

おそらく多くの方は高校の数学の初歩で命題の論証について学んだのではないかと思います。
例の「AならばB」です。
「A」という条件が満たされた場合、必ず「B」という事柄は成立しますよ、ということが証明された場合、この命題「AならばB」(「ならば」は記号「→」で示すこともあります)は「真」(正しい)であり、成り立たなかったらば「偽」(誤りである)となります。

命題が真である場合、AはBの「必要条件」といい、BはAの「十分条件」といいます。
簡単な例を挙げますと、A=「Jさんは東京都民である」、B=「Jさんは日本国民である」、とするなら、Aであるなら100%必ずBでありますから、命題「AならばB(A→B)」は真(正しい)です。
また、A=「Jさんは埼玉県民である」、B=「Jさんは日本国民である」とした場合も、命題「AならばB」は真です。
ところが、A=「Jさんは日本語を話せる」、B=「Jさんは日本国民である」とした場合は、命題「AならばB」は必ずしも成り立たず「偽」となります。すなわちこの場合、AはBの必要条件ではありません。

このように、必要条件Aは十分条件Bの一部である、あるいは集合の図で描くとBはAを完全に包含していることになります。
Aの集合がもしBの集合から一部逸脱している場合は、Aは必要条件とは言わず命題は成り立ちません。上の「日本語が話せる」の例では、外国人で日本語を話せる人の部分もあるからです。

命題においては、「逆は必ずしも真ではない」という法則があります。つまり、「AならばB」が真であっても、「BならばA」は必ずしも真ではない。
でも、たまに逆も真である場合があります。
例えば、A=「Jさんは日本に戸籍を持っている」、B=「Jさんは日本国民である」は、両方向「真」です。
こういう場合、AはBの(BはAの)「必要十分条件」である、といいます。記号では、A⇔Bと書きます。
この場合、集合Aと集合Bは完全に一致していて(同じもの)、互いに例外を含みません。

基本的説明が長くなり申し訳ありませんでしたが、要するに、政治とか、地球温暖化とか、あるいはどんな一般社会のことでもそうですが、重要な事柄を命題化することは大変重要でありまして、いかに骨太で「真」である命題を見出せるかがキーとなります。
また、必要条件Aは十分条件Bを成り立たせるためのごくほんの一部なのか、あるいはかなりの部分を占めるのか、あるいはまた、Bを成り立たす別の必要条件Aがあるのかの理解・解明が大事です。
そしてさらには、Bに対しての必要十分条件Aを見出すことが一つの究極の目標ともいえます。

地球温暖化を例にとってみましょう。
今現在我が国における大方の論調は次のようになっています。
A=「近代以降人間は化石燃料を大量に消費しCO2濃度を上げている」、B=「地球が温暖化している」とすると、命題「AならばB」は真である。
政府要人も含めてほとんどの人はこの命題を疑わず、そこから先の"how to"(我が国はどうやってCO2を減らすか)のみに感心が行っています。

私が勉強してきている限り、もっと根源的な部分をしっかり論証する必要があると思います。
まず、地球が温暖化していると言いますが、ここ10年くらいの温度上昇のデータが温暖化という結論にしてよいのか、また、それが仮にYesだったとして、10年程度のスパンの温暖化を問題にする必要があるのか(地球はもっとずっと長い周期の温暖化、寒冷化を繰り返しており、ずっと問題なくやってきている)。
さらには、現在の大気中CO2増大は人間の工業活動の仕業なのか、それとも海水温上昇による「結果」なのか、など。

詳しくはとても書ききれませんが、地球温暖化を論ずる場合、まずは「問題は何なのか」をしっかり定義し共有すること、しかる後に、上述したような大事な基本的ファクターの数々の、どれがどれの必要条件なのか、そして問題をズバリ言い当てる「必要十分条件」は何なのか、を突き止めることが究極のゴールとなると考えます。

長い前置きにお付き合いくださり、ありがとうございました。
では、命題の論証をビートルズに当てはめてみます。

ビートルズにおける命題「AならばB」において、Bを「ビートルズのように大成功を収める」とします。
それを成り立たせる必要条件A、さらには必要十分条件Aは何であるか、を考えていきましょう。
もし「A」がとてもシンプルな内容のステートメントの必要十分条件になり得れば、それは大変センセーショナルな発見ということになります。
残念ながらそうはならず、Aは複数の事柄が組み合わさったステートメントにより初めて必要条件になりうるかもしれません。

では、Aの候補を挙げてみます。これまでこのブログでお話ししてきたことです。

1)全員が楽器を弾きながら歌った。
2)シンガー・ソングライターだった。
3)ベーシストにいろんな楽器が弾け、音楽性の高い人間がなった。
4)ベーシストは最初ギタリストであった。
5)セミアコースティックのベースを用いた。
6)コーラス、ハーモニーを重視した。
7)最高のリズムギタリストがいた。
8)ショートスケールのギター、ベースを用いた(初~中期)。
9)高音ボーカルに挑んだ。
10)芸術全般、生活全般がアーティストである人間がいた。
11)プロデューサーおよび関わる人達が優秀で、乗り気を示し、よい決定を下した。
12)全般につき理科系的発想も多かった。
13)低音領域を厚くした(1/fゆらぎ)。
14)継続的な心意気があった(周囲の関わる人間を本気にさせる)。
15)多様なリーダーシップがあり、それに呼応するフォロワーシップがしっかりしていた。

さてでは、これから解析するわけですが、お断りしておきたいのは、上で掲げたファクターは全てではないということです。多分に漏れがあるでしょう。
また、今日出す結論も決して最終結論ではありません。解析のプロセスを見ていただくのが重要と思っています。
最終結論はもっとずっと時間をかけて導いていきます。

もう一点お断りしたいのは、Bのステートメントである「ビートルズのように大成功を収める」に関しては、ビートルズと完全に比較できる対象がない、ということです。
マイケル・ジャクソンとかカーペンターズとか、超スーパースターはいますが、タイプが異なり、ビートルズと同類の成功を収めたかどうかはわかりません。
よって、今日のところは、命題の真偽を導くのに推定がやむを得ないということです。

では、考えていきましょう。
上記1)~15)の各がBの必要条件であるかどうかを判定してみましょう。要するに、何かさえ満たせば絶対にビートルズ的に成功する、という条件があるか、です。
「AならばB」が偽であることを証明するには、「AなのにBでない」という「反例」を一つでも見つければよい、と数学では規定されています。
つまり、Aを満たすのに、ビートルズのような成功を全然収めなかったミュージシャンの例が一つでもあれば、それは偽です。

明らかに偽であるのがわかるのが、1)、2)、6)、8)、9)、です。
ここから先が理科系的考えの要諦です。
これらは一見、ビートルズの重要な要素である気がします。
しかし、これらがあっても成功しなかったミュージシャンはいっぱいいますので、反例が存在し命題は偽となります。

紛らわしいのは、1)や2)(全員が楽器を弾きながら歌い、シンガーソングライターである)のことは、「ビートルズであるための十分条件」であり、ビートルズたらんための必須な条件ではありますが、「これさえ満たせばビートルズ的大成功を収める」という命題との間には何の関係もありません。
このあたりがポイントの一つです。一見必要条件そうに見えるのでその発想が囚われて真の必要条件が見えてこない、というのは我々社会に頻繁に見られます。

私の今現在の考えでは、13)(低音を厚くする)と15)(多様なリーダーシップ)が比較的必要条件に近いのではないかと考えます。
例えば低音については、今のところ反例は見つからず、ビートルズの中でも名曲、ユーミンやキャロルなどの大ヒットメーカーもこれに従います。

ステートメント13)と15)はいきなりそうなったのではなく、何がしかの因果関係があります。
13)(低音を厚くする)を導いた原因としては3)、4)、5)、8)が考えられます。
15)(多様なリーダーシップ)を導いた原因としては11)、12)、14)が考えられます。

現段階ではここまでです。
現状では、低音の厚さと多様なリーダーシップでいかにいろんな人を巻き込み活用するか(=創造性の源となる)が有望ではないかと考えています。

ただし、ビートルズたちあるいは周囲の人も含め、自らは上のようには考えていたわけではないでしょう。
多様な要素や体系を取り入れ検証する感性と考え方、そしてその底辺に流れるしたたかで継続的な心意気、が必然的にあのような結果を招いていったことでしょう。
無意識だったかもしれませんが、自然のうちに「論証と定量性」が生きていたに違いありません。

基本的には1)~15)はどれも大事な要素ですが、必要条件、十分条件、包含関係、因果関係をもっとしっかり解明して、よりすっきりとした、ビートルズ的大成功を収めるための必要条件、必要十分条件の解明を行っていきます。
さらにその先には、ビートルズを超える音楽の創出を、この考え方の延長にて試みることにします。
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テーマ : ビートルズ関連
ジャンル : 音楽

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理科系ビートルズの作り方

以前「ビートルズの作り方」という本があって、
音楽理論主体で書かれていたようですが、
こちらは、理科系分析による「作り方」という感じです。

以前の確立論と同様で、論理学の講義を思い出して、
やや目まいがしてきますが、すごく面白い内容です。

不完全定理ではないですが、いくつ条件をあげていっても、
それ以外の条件が外在して、ビートルズは作れないのですが、
こうした分析で、どこまで本物にせまれるか、期待しています。

Re : 理科系ビートルズの作り方

ギターマジシャンさん

いつもありがとうございます。
そして、コメントどうもありがとうございました。

学校の授業は楽しくなく、役にたつかさっぱりわかない、と感じますが、せっかくの基本は生かしたいと考えています。

単にビートルズの解析にとどまらず、生活のいろんなことでみんなが考え、潤いのあるコミュニケーションができないか、と考えております。

これからもよろしくお願いします。

ST Rocker
プロフィール

ST Rocker

Author:ST Rocker
ビートルズ解析ブログへようこそ!
つくば-千葉-さいたま の三角形を行き来していますす。
モットー:理系なのに熱く音楽、政治・経済を語る。
酒と冒険と音楽をこの上なく愛し波乱万丈の人生を送るB型です。
コメントは本筋に沿ったものをお願いします。

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