父にネットとメールのしくみを説明した日

みなさまこんばんは。
秋もますます深まってまいりました。
お元気でお過ごしでしょうか?

今日、もう一つの英語のブログの方で「We should take responsibility !」(←クリック)という記事を書きました。
最近の時勢を反映して責任を逃れる発言がはびこっています。しかし、こんな時勢だからこそ意見をはっきり言おう、最後に笑うのは正直者である、ということを書きました。ぜひご覧ください。
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さて少し前に予告しましたように、今日は父のことを書きます。
父は今95歳。
2000年に妻(つまり僕の母)に先立たれて以来、娘(つまり僕の姉)と暮らしています。

今でこそ脳もかなり老化してきまして、人のよいおじいちゃんとなりました。
しかし、少し前までは頭冴え冴えで体は俊敏で超頑固なオヤジでした。

そんな父は機械畑の出身で、長らく、酒類や食品の洗浄やビン詰めの機械のメーカーでセールスエンジニアをしていました。
機械と電気はほんとに強かったですね。
僕が子供の頃は機械と電気は父に鍛えられました。

そんな父はPCの理解は全然だめでした。
というか理解しようとしていませんでした。
PC社会の到来を苦々しく思っていました。

父が会社で働いている間にはPCというものは仕事上なくても成り立つものでした。
ごく少人数の人が特殊目的に使っていたに過ぎなかったですから。

僕は学校卒業後に早々と親元を離れてしまい、PCのことを両親にじっくり説明する時間もありませんでした。
一緒に暮らしてきた姉もPCはまったくやりません。

母が病気になった2000年には僕は既に出先でPCからメールを送受信する必要を生じていました。仕事でもプライベートでもです。
あの頃は電話線からダイヤルアップでした。
そこで、実家に行った時は、父や姉の使っていた黒電話の導線の一部の皮を剥いてY字状に分岐させてPCと電話を並列につなぎました。

ところで、なぜ黒電話かというと、父は、物は使えなくなるまで徹底して使うという主義があるからです。
よって、1965年に設置した黒電話を45年も使ったのでした。

ちょうど母が亡くなった2000年の9月にも僕はノートPCを実家に持ち込んで、ダイヤルアップでメールをさかんに送受信していたのでした。
だって急に1週間休むことになったので、部下にも仕事を指示しないといけませんし、大事なお客様にもぬかりのないようにしなくてはなりませんでしたから。

従って、父や姉の前でPCでメールを打つ僕のことが父にはよほど奇異に感じたのでしょう。
当然父の口から出てきたのは「PCとは何だ? メールとは何だ?」という質問でした。

一言で言うと、その質問に答えることは大変な労力を伴いましたし、結局父が理解したのは1割にも満たなかったようです。
まだ子供に説明するほうが楽だったかもしれません。
なまじ機械と電気のことをよく知っている人間に、PCとメールの技術と仕組みについて説明するのはもうほとんんど不可能でした。

父には「こんなもんだろう」という感覚がないので、思い切り正しく説明しない限りは何十回も同じ質問が繰り返されました。
父が特に不思議がっていたのは次のような点です。

1.インターネットとは何か? 管理しているのはどんな機関なのか?(例えば電話で言えばNTTとか) どこにどう契約するのか? PCメーカーとインターネット業者の棲み分けは何か?(例えば、NTTと電話機のメーカーの棲み分けのような関係)
2.インターネットはなぜ電話回線を使えるのか?
3.誰かが誰かにメールを出そうとしたら、それをどうやって指示するのか? (例えば郵便局で手紙を出す時の一切の手順とメールの関係)
4.PCの画面を見ている人に対し、メールはどうやって来るのか? あるいは、その人は何をもってメールが来たことを知るのか?

正直、これに答えるにはネットやメールの仕組みを知り尽くしていないと答えられませんよ(*_*;
インターネットといものはお上から、あるいはすごいジャイアントの企業が支配しているものという観念を打ち破り、共通のインフラ上にプロバイダーが活動している、という説明は、説明になりませんでした。

もう一つの父の大きな疑問は、メールというものが郵便局のようなシステムで運ばれているという固定観念があることによるものでした。
誰か、あるいは「何か」によりメールの配信を託すとう考え方です。
メールは目的の宛先目指して「旅」をするのに、相手はどこにいてもどのようにしてもメールを受け取れる。

そこで僕は「ある場所に読みに行くんだよ」と説明しましたが、父はチンプンカンプン。
「よしんば読みに行くにしても、まるで当てずっぽうで読みに行くのかい? それとも「来たよ」という知らせが届くのかい? それはどうやって届くのかい・・・?」
いやあ、参りました。

父はPCの画面とテレビの画面を重ね合わせていたようでした。
テレビは受ける一方だからきっとPCも受ける一方のように思っていたようです。
テレビ局は不特定多数の人にいっぺんに情報を流すことはできるけど、特定の人間にのみ宛てたメッセージを送ることなんかできない。しかもその人間がどこにいても受け取れるなんて!?
それが父の偉大なる疑問でした。

はっきり言って僕の完敗でした。
結局「まあこんなもんなんだよ」ということで使い方だけを無理やりわかってもらい、現在に至っています。


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No title

こんばんは。
PCが職場に導入され始めたころのことを懐かしく思い出しながら
拝読させていただきました。
もともとエンンジニアだった、お父様のこと。
もう少し前だったらきっとバリバリ使いこなされていたことと思いますよ。
ところが小生は超アナログ人間。
PCや端末が職場に置かれたときは、お父様と同様の疑問、
或いはもっと低レベルの疑問を持っていましたよ(^_^;)
2000年というと、家庭にも普及され始めた時代ですね。
今回の記事で一番驚いたのは、ST Rockerさんが黒電話の
導線の一部の皮を剥いてY字状に分岐させてPCと電話を並列につなぎ使えるようにしたということです。
そんなことができるんですね~!!
仕組みをきちんと理解しないと気が済まないお父様世代。
全くわかってなくても使いこなせる若い子達。
まぁ、こんなもんなんだよくらいの理解でいいのかもしれないですね(笑)

がじゅまるさん

こんばんは。
いつもありがとうございます。
いよいよ日本酒の旨い季節が近づいてきましたね(^^)/
ってうか、既に始めてます🍶

はい、僕らの世代はほんとにPCゼロの時代から完全PC時代までをまさに激動のさ中を進んで来ましたね。
ある意味、よい時代を生き抜いたと言えるのではないでしょうか?

がじゅまるさんも最初は戸惑いましたか。
アナログ技術の延長だけで考えていくと確かに大きな疑問にぶつかりますね。
特に父の場合、間を取り持つものが何もないもんですから、それはそれはすごかったですよ。
最初は何が疑問なのかさえもさっぱりわかりませんでした。

黒電話を剥くのはちょっと電気をかじった人間ならそんなには難しくないと思います。
それを実際にやってしまうというのも確かにいたずら道ならではでしょ?

たしかに父のようなタイプの対極が、生まれた時からPCを使いこなす世代ですね。
彼らにアナログ技術を教えるのは難しいのか容易なのか、どっちなんでしょうね?

No title

ST Rockerさん、こんにちは。

何がわからないのか、それがちゃんと分かっておられるのですから
お父様はすごいですね。

私もパソコンのことはチンプンカンプンでした。
夫に教えてもらうのにも、何が分からないのかも分からず
ともかく、教えて貰ったとおりに動かして、
ようやくメールとウエブサイトの閲覧ができるようになりました。
それでも、見たことのない画面になると、もうお手上げ。
ちゃんと理解できていないので、対応できないのです。

ある時、何度教えられても理解できない私は
聞いてばかりいるからダメなんだ、
自分でいろんなキーを押していろいろやってみなさい! 
と、夫から突き放されてしまいました。
今は、分からないことはネットで検索して
同じような質問の答えを探すようにしています。

八年ぐらい前までは、PCには何の興味もなく、
まさか自分が使うようになるなんて思っていませんでした。
でも今では、よく分からなくても取りかかって良かった
と思っています。

お父様も、きっとメールなどできようになって良かったと
感謝されていることと思います。

petero kさん

こんばんは。
いつもありがとうございます。
そしてとてもご丁寧なコメントをいただきまして、どうもありがとうございました。

父のPCに関する疑問に共感いただき、そしてご自身の体験に基づくことと重ねて語っていただきまして、うれしく思いました。
以前は全くPCをおやりにならなかったのに、素晴らしく使いこなされるようになったことはすごいですね。

さて父のことなんですが、その後のことについて記事では書き方が不足しており、すみませんでした。
2000年のあの時点では父は、原理やしくみはほとんど理解しなかったものの、「まあ大体こんな風に使うものだ」ということはわかったんです。
しかしだからと言って、実際に自分が使うことはありませんでした。

世の中の流れはPC、ネット、メールがさらに主流になることはわかっても、それは好ましくないと考えていたようです。
例えば震災の時に東電が計画停電の知らせをネット上でメインに行うことに立腹していました。
PCを使わない、あるいは使えない人は取り残されてしまうではないか! と。

あるいは、電化製品の苦情や質問を電話で言う際、やたらに録音音声が出てきて、何番を押せとか・・・・、そんな非人間的な対応に大変遺憾の念を示していました。
あるいは、若い人たちが政治に関心がないことを憂いていました。
父は今テレビを見てその内容を正しく理解できないほどに老化してしまっています。
もし今の若い人たちが政治に関心を持ち始めたことを知れば、とても喜ぶと思います。
プロフィール

ST Rocker

Author:ST Rocker
ビートルズ解析ブログへようこそ!
つくば-千葉-さいたま の三角形を行き来していますす。
モットー:理系なのに熱く音楽、政治・経済を語る。
酒と冒険と音楽をこの上なく愛し波乱万丈の人生を送るB型です。
ご気楽にコメントください。

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