考えることと実行することは全く異質である

みなさまこんばんは。
暑いですね! お元気でしょうか?
関東は今のところ猛暑日は少ないですが、湿度が高いため締め切った家に帰宅すると蒸し風呂のようです😣

本来なら今日は定時退社日であり飲み曜日なんですが、今日は出張で、21:30過ぎに帰宅しました。
書くことは無常な喜びなので、週に1回は記事を書くようにしています。
今日は、ビールを飲みながら書いています。
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人が仕事をすることを大きく二分するとすれば、「考えること」と「実行すること」に分けられると思う。
両者は本来、似て非なるものであるはずだが、我が国においてはこれらをごっちゃに考えることが多い。
そして、そのことが時に我が国の強みであり、また弱みでもあると思う。

典型的な例が、「マーケティング」と「営業」。
私の前の会社は米系であり、アメリカの親会社ではマーケティングと営業が厳然と分けられていた。
同じSales Divisionの中のマーケティングとSalesのような分け方ではなく、divisionそのものが違っていた。
そこに配置される人間はもともと専門の違う人間が当てがわれるし、マーケティングと営業の間を異動するなんてありえなかった。

マーケティングも営業も、商品を売ることの大目的は同じだが、扱うものが全く違うのだ。
マーケティングとは、市場を解析し、どんな商品が売れるかを予測し、商品開発のための重要な提言を行う。
営業とは、商品を顧客に多く、より高価で買ってもらうために販路を整備し、顧客を開拓し、商品を紹介し、価格を交渉し、仕様を決定し、時に接待を行う。
必要な専門もスキルも人格も経験も、マーケティングと営業では違う。

それに対し日本の企業では古くからマーケティングと営業は同じ人間がやってきた。
というか、古くはマーケティングという発想そのものがなかった。
マーケティングという考え方が日本にできてからも、しばらくは「営業のわからん人間にマーケティングができるか!」という精神がはびこっていた。

私がいた米系会社では、我々日本サイトでは営業とマーケティングが一緒の部隊でやっているのをアメリカ人がすごく奇異に感じていて、ある時、無理やり組織を分けさせられたのである。
本来なぜ営業の人間にマーケティングができないかというと、顧客が商品を買ってくれる”動力学”は市場原理とは必ずしも同じではないからだ。
営業の人間は個別の事情に心血を注ぐので、市場原理との区別ができなくなっている。マーケティングの人間が本質的に営業ができないことも同様の理由だ。

成長期の日本においては日本型の考えが功を奏したと思うが、ゼロ成長になってからは日本式の考えは不利になったと思う。
マーケティング=考える人、営業=実行する人は、本来的には別々であるべきである、といのが私の考えである。
ただし、成長期というのは市場が青天井であるために、マーケティングを工夫しなくても営業努力がドライビングフォースになって経済が成長していったのだと考える。

次の例は、研究医と臨床医の関係。
研究医=考える人、臨床医=実行する人、という意味においてである。
私は、これらの関係について外国の事情を知らないが、日本においてはごっちゃになっていると思う。
お医者さんの間ではもしかして厳格に区別されているのかもしれないが、一般市民にとってはあまり区別されていないように思う。

テレビの医学番組ではよく、臨床医の先生が出てきて、最新の研究の動向のようなことを話しているシーンがある。
本来、臨床医は研究などしている時間はないはずだ。
最も有効で信頼のおける「最近の医学常識」をもってして患者の治療に当たるのが臨床医である。
せいぜい、たまに学会や集まりに出たり専門誌で最新の動向を知り、難しい患者を専門医に紹介することくらいしかできないはずだ。

医学の研究というのは、仮説に基づき大規模な実験や薬の治験を行ったり、膨大なデータに基づいて統計的処理を自ら行い、新しい学説を立てるのである。
臨床医が片手間にできる仕事ではない。
最近の研究テーマには「タバコは肺がんにはあまり関係がない」とか「塩分の摂り過ぎで血圧が上がるのは一部の人だけである」とかがあるが、こうした研究は研究医あるいは科学者でしかできないのである。

臨床医は個別の患者の問題に真摯に向き合っているので、客観かつ膨大な統計的なことなど言えるはずがない。
だから、研究医的なことを言う臨床医は私はあまり信用しない。
それより、研究動向はその筋に任せて臨床治療のプロに徹するお医者さんを私は尊敬するのである。

似たことは、教育の研究者と教師の関係にも言えると思う。

最後に、法律の研究者と政治家の関係を挙げたい。
法学者とか弁護士は法律そのものを研究し、検討する人。
政治家は法律を決める人。
やはりこれも似て非なるものである。

政治家には弁護士の資格をもった人も結構いる。
ある時、テレビ番組で、枝野さん(弁護士)が、自民党のある法律の解釈の問題のことを発言していた。
あるいは、高市さんが法の問題を発言していた。
法律のことを分かり過ぎている人が政治的発言ししたり、あるいは法律のことをあまり知らない人が法律のことを指摘するのも、どちらもあまり適切ではないと思った。
もちろん、発言してもいいのだが、考える視点を変えないとだめだということ。

まとめると、考えることと実行することは本質的に全く異質である。
だから、基本は同じ人がこれらをやらない方がよい。
しかし、「これらは違うことだ」ということを強く意識して、捉える枠組みを臨機応変に切り替えられるなら同じ人がやってもいいだろう。
違うことに気付かずやってしまうことに問題があるのだ。
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鍵コメさん

おはようございます。
とてもご丁寧なコメントをありがとうございました!
そして、どういたしまして。
鍵コメさんもよかったですね。
またいつでも遊びに来てください。
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ST Rocker

Author:ST Rocker
ビートルズ解析ブログへようこそ!
つくば-千葉-さいたま の三角形を行き来していますす。
モットー:理系なのに熱く音楽、政治・経済を語る。
酒と冒険と音楽をこの上なく愛し波乱万丈の人生を送るB型です。
ご気楽にコメントください。

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