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ビートルズ解析例 その14 「類稀なるメロディーとは」

本ブログでは、ビートルズの音楽が何故かくも心地よく聴こえるのか、そしてどうしたらビートルズの音楽を超えられるのか、について科学的な(理科系的な)解析をもって解明しようというものである。

言うまでもなく、ビートルズの成功の要因は一通りでなく、様々な方面から解析できるのである。それだけ多彩に活動したから、多彩な面があったから成功したとも言えるのだが、ここでは、純粋に音楽面に関して主たる要因を解明することにある。しかもその解析の過程は理科系の王道を行くべく、仮説を実証すべく定量的な検証を行うことを重要とする。

「理科系的」というのは「奇をてらった」という意味ではなく、本来何ごとも(対象が科学であろうが政治であろうが芸術であろうが)解析する際に重要な捉え方だが、我が国では文化・芸術面の解析は文科系的に行われがちである。本ブログはそれへの挑戦でもある。

よって本当は専門的解析の装置や手法を取り入れて行うのが理想ではあるが、まだそれはできていない。ここまでは私の耳と目で解析した事柄である。
だからまだまだ仮説の域を脱していないので、そのへんは十分に差し引いて読んでいただきたい。

これまでの解析結果の要約は、ビートルズの曲の音の分布は「きれいな三角形」になっていること。三角形の下ほど低音で横幅は音の密度である。
曲の音全体がきれいな三角形になっていることが必要だし、個々の音を構成するパーツもきれいな三角形になっている方がよいだろう。
ちょうど体育祭のピラミッドゲームを想像していただくと、生徒の一人ひとり、数人の塊、そしてピラミッド全体の形がきれいな二等辺三角形である方がよい、との仮説を立てた。
三角形には欠損などなく滑らかがよい。つまり音が低いほど密度が高いと同時に、細かく音が分布していた方がよい。
(以上、詳細は「ビートルズ解析例」の以前のパートを参照されたし。)

その後、内外のいろんなアーティストの音楽を聴きまくったところ、きれいな三角形を作っているのはビートルズだけではないことがわかった。
声だけに限れば、きれいな三角形の声の人はいっぱいいるし、低音領域を豊富に出すアレンジの曲もいっぱいある。J-Popもよい水準だ。
音のプロデュース的にもビートルズより厚いアーティストは結構いる。
少し古いが、カーペンターズなどはビートルズ以上にきれいな分布だし音が厚いと思う。
J-Popのアーティストの中にも、低音をもっと厚くすればビートルズ以上に全体がきれいな三角形になりそうな人もいた。

従って、「きれいな三角形」はビートルズの音楽の中で重要なものではあるが、これさえ満たせばビートルズ的になるわけではない。もう一つの大きな要因があるはずだ。
そんな時、体調を崩してしまい、しばらく加山雄三の映画「若大将シリーズ」を観まくっていた。
加山氏は尊敬する人の一人であり、病床で「ではオレもまた作曲やってみるか」と思い始めた。
高校の頃はシンガーソングライターになりたくて母親を困らせた私だったけど、作曲に関してはすぐに諦めてしまった。

思ったことは、素人が自然に思い浮かぶメロディーは陳腐なものでしかない、ということだ。人に訴えるメロディーは、他に例があまりなく、容易には想像できないメロディーである。
だから極端な話、素人が考えるにはあまり自然ではない音を選んだ方が斬新に聴こえる。
最終的にプロ級の粋なメロディーを生むには、多様の音楽を聴きこんでいる背景で、無理なく創造性が発揮できるまで自然体で構えること(スポーツや仕事上での創造性と同じ過程を辿る)。
以上のような仮説を最近立てた。

このような観点からビートルズの曲を眺めると、他のアーティストには例を見ない独創的なメロディーが多い。
中期の頃までは正直、駄作的で大したことのないメロディーの曲もあった。
そんな曲の最後Doctor Robertあたりだろうか。しかしこの曲、リズムギターが粋なのでメロディーを十分カバーしている。

ある曲のメロディーの程度を分類するとすれば、伴奏楽器で和音を弾いていれば容易に出てきそうな陳腐なもの、なかなか容易には出てきそうなもの、そして決して普通の人には出てきそうもないもの、の3種に分けられると思う。
そしてビートルズには3番目のタイプが他のアーティストに比べ随分多いと思う。Hey Jude、Lady Madonna、In My Lifeといったスタンダードもそうだし、Get Backのようなロック調のものでも他に例を見なく決して作れそうもない曲がたくさんある。

これらの曲はおそらくは決して普通の人が口ずさみ出てくるものではないだろう。多くの人々の既存の発想の延長にはないのだ。
予想としては、音程とリズムの取り方が非常に特異的なところを押さえているのだろう。次は是非この点について詳細に解析してみたい。

余談としては、解散後ポールの曲にはやや陳腐なメロディーの曲が多くなった。
例えば、Red Rose Speedwayに収められているSingle Pegionという曲は、ピアノのコードを弾く延長で出てくるようなメロディーだ。
ビートルズ時代はこういう曲はなかったように思う。
ビートルズ時代には安易な発想が許されない環境もあったと思う。そしてそれを探ることもまた興味深い。
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テーマ : ビートルズ関連
ジャンル : 音楽

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Author:ST Rocker
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つくば-千葉-さいたま の三角形を行き来していますす。
モットー:理系なのに熱く音楽、政治・経済を語る。
酒と冒険と音楽をこの上なく愛し波乱万丈の人生を送るB型です。
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