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宇多田ヒカル「初恋」の解析(Part 2)

みなさまこんばんは。
毎度のことですが、1週間を乗り越えるのは並大抵ではないですね。
今週も、金曜の夜のことなど夢想さえもできません。
そんな日曜の夜は、右脳をガンガンに鍛えるに限りますね(^^)/

今日の記事の要約
・12/24に宇多田ヒカル「初恋」の音の解析をしてみました(Part 1)を書きました。
・今日は、その続編です。
・このところガチな記事が続いたので、今日は目いっぱいソフトで、癒し系で、楽な記事です。
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前回「Part 1」では、「初恋」のボーカル部分の音の分布を解析してみました。



すると、使っている音の数はとても少なく、その分布は数学的対称性を示していました。
従来、心地よい音楽とは、1/fゆらぎと言って、音の分布が自然界で心地よい現象のような分布であるものだ、というのが通説でした。

ところが、「初恋」は、1/fゆらぎとは全く正反対の特徴を示していました。
すなわち、人工的で無機質的、といったところでしょうか。

しかし、「初恋」はとても魅力的に我々に響きます。
その魅力は何なのでしょうか。
宇多田さんは、きっと敢えて人工的、無機質的な音の分布で、かつ、魅力的な音楽を考えたに違いありません。

結論は急がず、一つ一つ感じたことを書いていくことにします。

僕が感じたことの一つは、同じメロディーのフレーズをコードを替えて繰り返すこと。
24秒あたりから始まるI need you.というフレーズです。
全く同じメロディーを4回ずつ繰り返し、コードは、Cmaj7→Em7→Am7→Gと変わって行きます。

同じメロディーを繰り返すけどコードが違うというのは、時々見られますけど、4回も連続して、しかも違うコードというのは、ほとんど見たことがありません。
なかなかできることではないと思います。

このことが、「初恋」の印象付けに一役買っているのではないでしょうか。
1/fゆらぎとは、対局ですね。
いや、あるいは、対偶でしょうか。

同じメロディーのフレーズがコードを替えて連続するということでは、僕はビートルズのShe Loves Youを真っ先に挙げたいと思います。



冒頭いきなり、She loves you, yeah, yeah.と3回、シャウトします。
コードは、Em→A7→Cと変わっていきます。
この魅力的なテクニックとパワーにより、聴き手は引き込まれます。

同じく、ビートルズのPlease Please Meでも、Come on!というフレーズが3回同じメロディーでコードを替えて連続します。(21秒あたりから)



そしてあと1曲、似たような例を紹介させてください。
麻丘めぐみの「私の彼は左利き」です。
昭和48(1973)年に発表された曲です。作詞=千家和也、作曲=筒美京平です。



麻丘めぐみと言えば、アイドル歌手のはしりのような大スターです。若い人は知っていますか?
既に何曲かヒットを飛ばしていた彼女ですが、この「・・左利き」は颯爽と登場した曲でした。

僕は、この曲を電撃的に初めて聴いたのでした。
高1の時、松戸に住む友人と、松戸のあるデパートで遊んでいた時のことでした。
場内放送でこの曲が突然流れたのでした。
僕は全くノックダウンされてしまいました。そのベースラインに。
当時は、ビートルズをはじめとして洋楽を聴き始めていましたが、ベースラインがどうのこうのなんて全く考えもできない青い時期でした。
そんな僕でしたので、頭で考えたのではなく、体感でそのベースラインに打ちのめされたのでした。

そして今に至るまで、このスィング調ともいえる素晴らしいベースラインの虜になっています。
この曲の音をもし分析したら、このベースラインにより、低音部がとても厚い(脆弱ではなく、どっしりした基礎のような)分布になっていることでしょう。

そして、この曲には、「同じメロディーで違うコード」も登場します。
59秒あたりでサビに入るところ、「あなたに合わせてみたいけど、私は右利き、すれ違い」というところ。
正確には同じメロディーは2回X2ですが、キーが違うだけで、同じメロディーが4回とも言えるのです。
コードは、A♭→A♭m→E♭→C→Fm7→F7と変わります。

僕は、麻丘めぐみをデビュー以来、とても好きでした。
それにしても、左利きであることがモテるなんて、なんてうらやましいんだろう、と思ってました。

そして、鉄道ファンとしても、もう一言。
昭和48と言えば、武蔵野線が開通した年でした。
当時、与野に住んでいた僕が、松戸の友人の所に行くのにどれほど感動したことでしょうか。
当初は貨物専用線として計画された武蔵野線は、人間も運ぶことになったのです。

埼玉県は、京浜東北線沿線、東上線沿線、東武伊勢崎線沿線、と、それぞれの沿線文化は発達していたのですが、それらを横に交流する手段がなかったのです。
その意味で、武蔵野線の登場は画期的でした。
そのあたりは、映画「翔んで埼玉」でよく描かれています(^^)/
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今晩は

初めてコメントします。懐かしい音楽久しぶりに聞きました。ビートルズは始め違和感を持って聞いていました。今となっては懐かしいです。
麻丘めぐみは従妹がそっくりショーに出て入賞してました(笑)。
ナットキングコールの「all of we know 」歌と伴奏が違うメロディーを奏でていて、それでいていい感じを出しているっていうのがいつも不思議でした。西洋音楽の伝統的手法でしょうか。
千葉の辺りを昭和40年代半ばに両国発銚子行きのSLが走っていました。こちらでは廃止になっていたので都市の中を走るSLに感動してました。いつも踏切でその雄姿を見ていました。

確かに、納得です

ご無沙汰しております。

ホントにそうですね。
確かに、同じメロディーのフレーズがコードを替えて連続しますね。それが楽曲を強く印象付けるおおきな要素となる。
この反復にわたしも惹き付けられたものです。
秘められた絶えることのない激しい感情のうねりをわたしはそこに感じました。
その反復が4回というのも絶妙な回数に想えます。
わたしは、波のような感情の反復を永遠に欲した瞬間に引取られ消滅した残響、その余韻に捕らわれるのです。
それでもう一回聴きたくなる(爆。
もうずっと囚われています。
ラベルのボレロなんかもそんな感じで一頃聴いていましたが、こちらの方が歌詞がある分エモーショナルで、鮮烈でもあります。

有難うございます。今後とも宜しくお願いします。
こちらの感情も整理されて落ち着きます。

イングリシュガーデンさん

おはようございます。
いつもご訪問ありがとうございます。
コメントをいただき、どうもありがとうございました。
今回の記事を楽しんでいただけたようでよかったです。
ナットキングコールのAll of We Knowという曲は知りませんが、機会あれば聴いてみます。
両国発のSLは銚子にも行っていたのですね。内房線のほうは知っていました。
都市を走るSLという意味では、川越線もそうですよ。確か昭和50年過ぎまで走っていました。
さらに、大宮操車場の与野駅あたりの貨車の入れ替えにもSLを使っていました。これも結構最近まで。
これからもよろしくお願いします。

GOMA28さん

こちらこそご無沙汰しておりました。
コメントありがとうございます。
納得いただき、光栄です。
そういえば、この曲をGOMAさんが紹介された時、「ボレロのような」と書かれていましたね。
このフレーズの繰り返しを象徴とする「初恋」の醸し出すものは、確かにボレロと共通しますね。
同じメロディーのフレーズをコードを替えて繰り返すことは、2回→3回→4回と増えるにつれ、飛躍的に難しくなると思います。
しかも4回のセットをさらに繰り返す。これを不自然なくやってのけるところがすごいですね。
そして、テクニック的な観点のみならず、GOMAさんおっしゃるように「波のような感情の反復」ですね。
情緒面でも多いに訴えるものがあると思います。
ボーカルのメロディーは1/fとは対照であるけど、コードを多彩にすることで楽曲全体としての音の分布が厚くなるから心地よいのか、あるいはかつてなかった全く新規なメカニズムによるものなのか、などは今後の課題としたいと思います。
繰り返し部分以外の主題のメロディーでも、コードを替えているので、曲全体がこの手法によるもののような気もします。
今週もお元気にお過ごしください。
プロフィール

ST Rocker

Author:ST Rocker
ビートルズ解析ブログへようこそ!
つくば-千葉-さいたま の三角形を行き来していますす。
モットー:理系なのに熱く音楽、政治・経済を語る。
酒と冒険と音楽をこの上なく愛し波乱万丈の人生を送るB型です。
コメントは本筋に沿ったものをお願いします。

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