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検査の判定基準は人により、機関により違う?

みなさまこんにちは。
雨がとても長く続きますね。
お元気でしょうか?
先ほど、少しの間日が差したのですが、また本格的な雨になってしまいました。

さて、東京都をはじめ、連日多くの新規のPCR検査の陽性者が報告されています。
今日は、新型コロナのPCR検査における「特異度」を考えてみます。

「特異度」とは、本当は感染していない人が、ちゃんと「陰性」と出る確率のことです。
特異度が100%であれば、PCR検査の結果が陽性でさえあれば、新型コロナに感染していると断定できます。
しかし、あらゆる病気の検査は、特異度が完全に100%というのはあり得ません。

東京都は、大体の最近の1日の検査数が4,000人で、陽性者は200人です。(話を簡単にするために、このような数字にします)
陽性者の率は5%です。
もし特異度が100%なら、この200人は全員、真の感染者となります。
また、もし特異度が95%なら、この200人はほぼ全員、真の非感染者と言っていいと思います。

このように、陽性者の解釈をするには、特異度の理解がいかに重要であるかを同意いただけると思います。

そこで、新型コロナの特異度を研究している論文を調べてみました。
日本語の論文は見つかりませんでした。
そこで、英語でspecificity(特異度の意味)で検索して英文の論文を調べてみました。
下記の論文がヒットしました。

https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2020.04.24.20078949v1
特異度は98.8%。4/29報告。武漢のデータをアメリカの研究者が解析。601人の陽性者の解析から。

https://www.centerforhealthsecurity.org/resources/COVID-19/serology/Serology-based-tests-for-COVID-19.html
新型コロナに限らず、SARSその他のウイルスの特異度等を解析した報告の集大成の論文。
アメリカ、スペイン、イギリスなどの研究機関の報告結果を集めた。
特異度は、低いもので95.6%、高いもので99.8%。大体98~99%が多い。1件、90%という例外あり。

https://www.bmj.com/content/bmj/369/bmj.m1808.full.pdf#search='Specificity+corona'
特異度は95%。

https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/lab/resources/antibody-tests-guidelines.html
特異度は95%。

https://www.fda.gov/medical-devices/emergency-situations-medical-devices/eua-authorized-serology-test-performance
特異度は98.8%。

以上のように、大体の状況はわかりました。
現状の新型コロナの研究やPCR検査の精度は、まだまだ結論が出るには早過ぎると思うので、今後、特異度の数字は次第に一定の値に収れんしていくものと思われます。
現状では、非感染者が検査を受けた場合、数%程度は陽性と出てしまう、と理解しておいてよいと思います。
東京都の例で言えば、陽性者200人を、現段階では全員感染者とも全員非感染者とも決めつけられない、というのが正しいところであり、特異度の収れんを待ちつつ、最も現実的な方策を考えるべき、と言う以外にないでしょう。

さて、特異度が次第に収れんしていくだろう、とは言ったものの、そもそもPCR検査なるものが既に確立した手段であれば収れんするだろうけど、実際は確立しているのでしょうか?
もちろん、PCRという原理は既に確立しています。

しかし、新型コロナのPCR検査において次の事柄はどうなのでしょうか?
・新型コロナの塩基配列は確定したか?(多分yesだろうが)
・検査キットのメーカー毎のバリエーションはどうか?
・検査員のスキルはどうか?(これほど多くのPCRがかつて実施されたことはなかったので、習熟度が不足している人が多くはないか?)
・結果の読み取りの基準は確立されているのだろうか?(単純なon/offで出るのではなく、出力の曲線を解読することで、人為的に判断するようです。(これについては、まだまだ勉強不足なので、ざっと調べただけですが))
・検査員の疲労や、1日あたりにこなす数との関係
・新型コロナウイルスの変異との関係

まあ、細かいことは置いておきまして、一つの大きな疑問が湧きました。
おそらく、判定の難しい検体や、グレイ領域も多いことでしょう。
そこで、そもそも、陽性か陰性かの判定の基準はどうなのでしょうか?
技術的な難しさもさることながら、判定基準は誰がどのように定めるのか?
仮に基準がしっかり決められたとしても、人(検査員)による判定の基準が違うことはないのでしょうか?

ある検査機関が、新型コロナPCR検査の陽陰性の判定をする場合の基準は、機関に一任されているのでしょうか?
あるいはまた、行政からの依頼で基準を変えてくれ、のような要請があったりするのでしょうか?
例えば、検査数をぐっと絞って、すごく疑わしい患者っぽい人に対してのみPCR検査をして、本当にコロナかどうかを見極める場合は、グレイ的な結果は白とし、明らかに陽性と判断できる検体のみを陽性と判定するとか、あるいは、不特定多数の人に検査する場合はグレイ領域を陽性と判定する、とか。
もちろん、この逆の場合もありますが。

岩手県は、これまで1,290人のPCR検査をしてきて、陽性がゼロです。
すなわち、このデータは特異度が100%(より正しくは、少なくとも99.9%)であることを示しています。
前々回の記事では、新型コロナのPCR検査の特異度はもっとずっと低い(90%を割るような)と思っていましたので、岩手県で陽性者ゼロは天文学的に小さい確率、と書きましたが、今回、論文を調べたら、大体95~99%程度とわかってきたので、天文学的というのは訂正しますが、それでも、1,290人が全て陰性というのは、全くあり得ないことはないにしても、やや疑問ではあります。

PCR検査の結果の判定の基準が、検査機関に委ねられていたり、行政からの依頼で基準が変わったりすることが仮に事実だとしても、必ずしも悪いことでもないと思います。
あらゆる病気の検査というものが完全な結果を与えない以上、それは参考の情報に留めておくべきであり、そして、どのように参考にするのかは考え方によるわけですから、検査の基準を変えることはあり得なくないことだと思います。

ただし、その場合、国民が疑問を持った場合に、国民が混乱しないようにすべきと思います。
というか、そもそも検査結果が陽性か陰性かという情報をそのまま大々的に流すこと自体、いかがなものかと思います。

以上、PCR検査の解釈だけでもこれだけの見方がありますので、さらに感染者と重症者の関係や、感染防止の対策のことを掛け合わせると、いかに問題の複雑さが大きいかわかります。

引き続き、共に頑張ってまいりましょう。

おまけ=2018年7月15日のLove Me Do
https://blog-imgs-119.fc2.com/s/t/r/strocker2/201807150846198e8.mp3
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No title

岩手も、とうとう感染者としてカウントされた人が出てしまいましたね・・・・
なかなかPCR検査をしてもらえなかったという人もいますし、実際の感染者数ははっきりしませんが、できる対策をやっていくしかないですね。
体調を崩すと2週間欠勤するよう言われてしまうので、これからも気をつけていこうと思いました。

utokyo318さん

こんばんは。
いつもありがとうございます。
コメントありがとうございました。
体調を崩すと2週間欠勤するよう言われてしまうのですか。それはたまったものではありませんね。
たしかに気を付けるしかありませんね。
特異度がもし100%であるなら、それこそ国民全員に検査を受けるような勢いで検査を広めればいいと思いますが、特異度がまだ95~99%の間で確定していない現状では、やはり、ある程度検査対象は絞るべきのように思います。
そして、陽性か陰性かの判定の基準も、「疑わしきは陽性とする」のか「陽性と断言できる人のみ陽性とする」のか、ポリシーを国民に透明にしつつ、使い分けてほしいですね。
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