FC2ブログ

昨日の補足

地震後、政府として取り仕切らないといけないのは、言うまでもなく被災地復興と原発対応だ。
両方とも大変大事かつ緊急を要する。
ただし、初動操作が何より重要なのと今後の波及効果の大きさから、リーダーシップがより求められるのは原発の方だ。そこが、昨日、首相自身の実質関与を原発に宛てた理由である。

震災復興においても当然首相が最終責任を持つ。
ただし、初動措置を含めた危機管理手順は凡そできているだろうから、対策本部のリーダーを他者に任せることは可能だと思う。
もし私は首相であれば、仙石副官房長官を被災地復興対策本部長に任命し、全権を委譲する。
ただし、毎日時間を決めて進捗を報告させる。
全権を委譲すると言っても、例外的項目がある。
一定金額以上のお金が要る場合、あるいは超法的措置を採らざるを得ない場合は、その場で首相に了解を求めるルールとする。

こうした首相の関与について、ごく初期に国民にしっかり説明しておかないといけない。
また、震災復興対策の進捗も毎日、枝野官房長官の会見時にTFと併せて説明することとする。
首相は事前に枝野氏の発表内容を確認し、不適箇所があれば訂正を指示する。

話を原発問題に戻す。
このような超危機事態においては、初期に一刻も早く「シナリオ決め」を行う必要がある。
アポロ13号の例を思い出してほしい。
地球発射直後に酸素タンクが爆発した。居室への酸素の供給と電源が十分に賄えない超危機的状況に遭遇した。
直ちにタスクフォースが結成され、「月着陸を諦め、月の向こう側を回って地球に帰還する」というシナリオが採択された。そしてそれを大前提とした最善の策を徹底的に検証、議論した。

福島原発においてもごく初期にシナリオを決めるべきだった。
危機下では当事者(=東電)に判断を任せておくのはよくない。
なぜなら、当事者は主観的なことしか考えられないからだ。彼ら自らは炉をお釈迦にしてトータルな被害を最小にする、などという発想は決して生まれなかったはずである。

シナリオを決めてからの一切の判断もリーダー(=首相)自ら行うことが重要と考える。
判断の機能が複数あると決定が遅れ、有効な手段の発動が遅れるのと、全体の整合性が取れないからである。

(ただ、これはあくまで超危機的事態でのマネジメントのあり方である。通常の企業のような場合は、現場の考えを重視し、権限を委譲するべき、というのが私の考えである。)

もう一つ重要なのは、国民への放射線の影響の説明の仕方。
「直ちに被害を与えるようなレベルではない」などと言ってはいけない。
このブログで何度も申しているように、科学・技術の世界では「論証、定量、確率」が重要なのである。
すなわち、「**という現象は、**という条件のもと、*%の確率で起る」というのが正しい表現である。

放射線の健康被害については、広島原爆やチェルノブイリで(ある程度)系統的な調査が長期間にわたり行われた。
例えば「トータルで**ミリシーベルトの放射線を浴びた人が**十年後に**の病気になった確率は、健常者(自然の放射線しか浴びていない人)に比べて*%多かった」などのようなデータがある。
そうしたデータを元に、国際的に外部被爆、内部被爆に際しての上限量を、安全係数を含めて、決めている。
日本国内の専門家はそれを元に国内での暫定基準を提唱している。

政府はそういう定量的データを示して国民に示すべきだ。
そうでないと理解、安心ができず、有効な対策を打てない。
国民はそうした定量的データを見て初めて放射線の害の程度を把握できる。
その程度は、他の因子、例えば喫煙、飲酒、偏った食事、ストレス、運動不足など、による影響とどちらがリスキーなのかの判断もできる。

そして政府は、放射線の観測値や、土壌や水中の分析値の動向を見て(注;点ではなく面で見る)、国民に対し避難や摂取制限のための適切なガイドラインを予め説明しておく方がよいだろう。
もともと"all or nothing"の世界ではないのだから、何より定量性および確率の議論が大事。
そしてデータはあくまで完成品なのではないのだから、データの信頼性の数値も凡そ見積もって、「概ねこのような確率でこうなるだろう」と説明するのがよい。
そしてそのガイドラインは変更されても構わないのである。
最初から筋が通った説明をすれば国民も納得、安心するはずである。
スポンサーサイト



テーマ : 地震・災害対策
ジャンル : ライフ

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

ST Rocker

Author:ST Rocker
ビートルズ解析ブログへようこそ!
つくば-千葉-さいたま の三角形を行き来していますす。
モットー:理系なのに熱く音楽、政治・経済を語る。
酒と冒険と音楽をこの上なく愛し波乱万丈の人生を送るB型です。
コメントは本筋に沿ったものをお願いします。

最新記事
最新コメント
カテゴリ
FC2カウンター
Number of visitors
リンク
RSSリンクの表示
検索フォーム
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

月別アーカイブ
最新トラックバック
QRコード
QRコード