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ウナギの生態

ウナギは日本人にとって実に旨い食べ物である一方、わからないこと、難しいことがあまりに多い。

まずは養殖。
浜辺でシラスウナギを捕ってきて大きく育てるのは昔からやっている。
でも卵から育てるのは至難の業だった。
最近、近畿大が卵を産ませ、孵化し、成魚に育て、また卵を産ます、という完全人工養殖のサイクルを達成した。
素晴らしいことである。
あとは生産性とコストだが、これまた難しく、時間がかかることであろう。

もう一つは天然ウナギの生態。
ウナギは海のどこで産卵し、どこでどう大きくなり、どのルートで日本等に来て、そしてまたどうやって海に戻るのか。
割と最近まで全くわからなかった。
こんなに身近にいる魚(魚らしくないが)なのに、基本的なことがわからなかったのはすごい不思議だし、それゆえ、それを知りたい好奇心はずっとかき立てられていた。

ウナギの生態に一生を賭けられた方がいらっしゃる。
東大の塚本勝巳先生だ。
長年に渡る地道かつ鋭い研究から、最近、ウナギの産卵場所をほぼ特定し(マリアナ近海)、受精卵の採取に成功した。
これまた大変素晴らしいことである。

以前から新聞等で塚本先生の活動は存じており、大体は知っていたが、具体的にどんな研究の方法で場所を特定したりするのか、そして観測船はどんなものなのか、はずっと興味があった。
先週BSで特集番組があったので、食い入るように観た。

一番驚いたのは、産卵場所は10m(10kmではなく10m)立方位の狭い枠の中で、10万匹位のウナギが集まって、新月の夜に一斉に産卵するらしいそうだ。
あの広大な太平洋の中のわずか10m立方。
まるで砂漠の中で落ちた指輪を探すようだ。
理由は、それだけ集中している方が食われないかららしい。

あちこちの沼や川にいるあのウナギが、広大な太平洋の1点を皆目指すとは到底考えられない。
泳ぎにくそうな体だし、頭がそんなによさそうにも見えない(失礼)のに。

ポイントは、塩分が急に変わるラインのようなものがあり、それに沿って行くのだろう、と。
研究の方法はいろんな科学に共通するものだった。
何ごとも信念と努力、解析の基本、そして若干の運だ。

番組では塚本先生のお人柄と観測船の様子が余すことなく描かれていた。
久しぶりのいい番組だった。
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テーマ : 自然科学
ジャンル : 学問・文化・芸術

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No title

川にいる天然ウナギは海で産卵して、また海に戻るのですか。
父は山梨ですが昔子どもだった頃、川でウナギをよくとったそうです。
そのせいか父はウナギがきらいで食べませんでした。
私達家族にはウナギの蒲焼を買ってきてくれましたが…。
細長くニョロニョロしたウナギを見ていたからかも
しれません。
新しくまたブログを作りました。
私のブログのリンクの欄の一番下にあります。
「音楽…癒されるひととき」です。

No title

イルカさん

ありがとうございました。
川にいるあのウナギが大海原を泳いで海に行き、ごく狭い一点に集まって一斉に産卵するなんてものすごく不思議ですよね。

よいお父様ですね。
やさしい感じがします。

新しいぶろぐ拝見しました。
素敵ですね。

よい記事をこれからもどんどん見せてください。

ST Rocker
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ST Rocker

Author:ST Rocker
ビートルズ解析ブログへようこそ!
つくば-千葉-さいたま の三角形を行き来していますす。
モットー:理系なのに熱く音楽、政治・経済を語る。
酒と冒険と音楽をこの上なく愛し波乱万丈の人生を送るB型です。
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