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Coffee Break Beatles No.17 「歌と演奏の連携」

私が小学生の時、グループサウンズ(GS)が流行していた。ビートルズを含め海外のロックンロールのことはほとんど知らなかったので、エレキバンドのスタイルを初めて見た時はびっくりした。
最初に見た時の印象は、「本来楽器はちゃんとした態勢でしっかり弾くものなのに、あんなに肩にかけた状態でちゃんと音楽ができるんだろうか? できたとしても歌と一緒なんて大したことができないんじゃないか?」と思った。

事実GSは、歌こそ印象的なものが多く、コード進行もいかしていたが、バンドとしての見せ場はあまりなかった。少なくとも、ギターやベースの演奏とボーカルをギリギリの状態で両立させたような見せ場はなかった。言ってみれば歌謡曲をエレキバンドという媒体で表現しているのであって、その新しさが受けていたと思う。(GSの方々すみません!)

その後1970年くらいになって洋楽と触れる機会が出てきて、S&Gとかシカゴはじめ数々のバンドと出会って真の意味のバンドのすごさを知ったのである。
ビートルズにおいては、以前も書いたように、最初の演奏映像を見たのはTV番組で映画Let It Beの屋上シーンを高層ビルの壁面に映したものであった。
あのシーンは名演であったこともあって、ビートルズのバンドとしての魅力に一気に開眼したのである。

ビートルズの演奏スタイルは、デビューアルバムの第1曲目のI Saw Her Standing Thereに象徴的なように、従来の4ビートのタルいリズムから一転して、超躍動的な8ビートのベースを奏でながらインパクトのあるボーカルをとる、という大変斬新なスタイルをもたらした。ちなみに、この曲は大変ではあるが、やってできないことはない。

バンドの大変さの一つには楽器の演奏とボーカルを両立することにある。
ビートルズにおいては楽器の演奏はそれほど複雑ではないので、ジミ・ヘンドリックスがやったようにリードギターを弾きながら、それとは別のメロを歌うなどという超難易度のものはない。
でも、4人ともリズムをしっかりキープしながら正しい音階で歌うことはしっかりできたので、作曲の斬新さと相まって、そのことは多いなる特徴となった。

そんなビートルズではあるが、「これは真似は難しい」というのをいくつか紹介したい。

まずはBirthday。ギンギンのリフが特徴のロックナンバー。実は、ベースもあのギターリフと同じメロディを弾いている。2小節が1ユニットになり繰り返す。ギターは1小節目のみ1回リフを弾き、ボーカル(You say it your birthday)は1小節目のケツから入り2小節目を通して歌う。ギターリフは2小節目はお休みだが、ベースは1小節目、2小節目ともに弾く(同じメロを)。つまりポールは2小節目は、ベース弾きながらボーカルをとる。問題は、ベースのリズムとボーカルのリズムが合わないこと。"・・・birthday"と歌う2小節目の後半の部分だ。 素人がこれをやるとどっちかがもう片方につられてしまう。 しかしポールはロシア公演において、例のトレードマークのヘフナーのベースを弾きながらBirthdayを簡単にこなしていた。苦労している風が全く見えないのがすごい。

BirthdayほどではないがLady Madonnaのピアノとボーカルの両立も同様理由から容易ではない。
Anthologyを聴くとLady Madonnaのピアノの詳細が見えてくる。基本はシンプルな発想だけど、結構オカズ的な音を入れているし、変則リズムも入れている。このことによってボーカルとの両立は難しくなるのだが、ポールはレコードにおいてもそしてその後の公演においても、まるでソロ歌手が歌うが如くこの曲を演奏している。

最後にAll My Loving。ジョンの3連符リズムギターとベースラインが印象的な名曲である。レコードではポールの二重唱だがコンサートではジョンが低音部を歌う。すなわちあの3連符を弾きながら歌うのだ。これは曲芸だと言ってよい。にもかかわらずジョンの歌は全く自然に流れている。
ちなみに私もこのことを試したことがある。25歳の頃、会社でバンドを組んでいた時、3連符やりながら歌ったのである。ものすごく練習をした末に。最後は手は3連符を刻む「機械」のような感覚になった時、はじめて手と歌が脳をつなぐ回路が分離したのである。
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テーマ : ビートルズ関連
ジャンル : 音楽

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