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房総半島横断記録 Part 2

こんばんは。
時ならぬ暖かい日ですね。
皆さまお元気ですか?
私の単身赴任生活の夕食は今のところ玄米と納豆中心の質素で健康的なものです。
でもいつまで続きますやら。

私の多くの趣味の中の一つが「冒険」です。
冒険というのは自らの可能性の殻を破ることの全てを意味しますので、大それたアクティビティや難行のみを冒険とは言わないと思います。

前回の冒険の紹介は、冬の富士山でした。
「次回は房総半島の横断を書く」と予告しておきながらなかなかできませんでした。
その後ちょっと体調を崩したので冒険心が少し遠のいていました。
しかしまた回復し、冒険心がふつふつと再来してきました。

では、房総半島横断記をどうぞ。
次回は、富士山を海から登った話を載せるかもしれません。

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房総半島横断記録 Part 2 "最険部横断(2007-8-13)"      2007-8-17 ST Rocker

1.プロローグ

人は何故冒険するのだろうか? 
敢えて困難なことに挑戦する姿は一部の人々には美しく称賛されるが、また他の人々にはばかばかしくしか映らない。
冒険はやはり自分のためである。
冒険は人を成長させる。

「物事はやろうと思った時点で7割が既にできたと同じこと、そして計画を立てた時点で9割ができたと同じこと」
私の人生で導いた大切な持論である。
そして、
「冒険とは、自分が思っている能力のおよそ1割上を狙うことである」
さらに
「新しい1割は、それを成し遂げる前の自分よりも2割を高めるものである」

冒険を語る上でもう一つ大事なことがある。
「思い立ったらすぐに実行する」ことなのである。
ただし何の実態的計画もない思いつきのことを言っているのではない。
普段から十分にそれを計画しうる頭脳的・能力的下地があって、それを実行するモチベーションが沸いた時に一気に実行することなのである。
私は、冒険に限らず人生の節目の大きな行動は皆この乗りでやってきた。そしてこのことが結果的に非常に意味があったことが多い。

「時間ができたらやろう」とか「結果が容易に予測できる」ことは冒険の名に値しない。
自己を本質に迫り、自己を進化させることこそ冒険の名に恥じないのである。

2.今回の横断について

私は1994年8月16日に自宅(内房の一角)から外房の白子海岸までの約30kmを走り(一部歩き)、その記録を残した。今回はそのPart 2に当たる。

今回の冒険の一番大きな動機は、今年9月*日に50歳を迎えることにある。いよいよ「若くない」年齢を迎える。また「50」という大きな節目な年だ。それを迎える「序曲」としてふさわしい記念になるものを成し遂げよう。そう考えていた。アイデアは複数あった。

前回の横断は、房総半島の中でも最も平坦な部分の横断だった。だから次は最も険しい部分を横断したい。そんなことを数年前から思っていた。
今年の夏休みは8/13~17まで取ったが、町内会の仕事が忙しく盆踊り大会の準備、警備、後片付けがあり時間が取れなかった。しかし、警備の仕事を他の役員さんにお願いした結果、8/13がフリーになった。前日(12日)のことである。そこでいきなり「明日決行」を決めた。前回の横断も前日に決行を決めた。同じノリだ。
今回のコースを上総湊→鴨川に決め、地理的その他条件を確認し、時間的にも「可能」と判断した上での決行の決定であった。
地図からは全工程=30kmくらいと見積もったが、実際に横断してみて、40km近くありそうだった。

今回の冒険に対する目的や心意気は次のようなものである。
1.母なる大地「房総」に感謝する。1982年から今に至る25年(途中1年半東京住まいがあったが)私を育ててくれた房総の大地に心を込めて自分の足で渡る。
2.自分の体力を確認する。32歳から始めたマラソンをきっかけに、エアロビックな運動をやってきたり、大学の活動に端を発して自然に親しんできた自分の体力をチェックしたい。
3.半島というダイナミックな地形を横断するスリルを味わう。特に内海(=東京湾)から外海(=太平洋)という性格の違う海を自分の足で渡るという超ワクワク感を味わう。
4.前回同様、今回も「暑さにどれほど耐えうるか」も試すことにする。
5.今回のこだわりはあくまで「海岸から海岸まで」。つまり「完全横断」を成し遂げることにある。前回果せなかった悔しさだ。そして出発点と終着点の海水を汲み持ち帰る。
6.地形からして走れる所は少ないが、走れるところはなるべく走ることにする。歩きが中心である。
7.これにより49歳までの自分は何であり、50歳から何をするのか考えるきっかけにする。

3.横断記録(2007-8-13)

今これを書いている前日は国内の最高気温を更新したほどの暑い週であったが、8/13の最高気温はせいぜい35℃くらいであった。予報では千葉南部は午前は少し雲が出るが概ね晴れ。非常に暑い日であったことには変らない。

今回のいでたちは、Tシャツにハーフパンツ。短いソックスにランニング専用シューズである。万一遭難した際に備え一応の防寒着はリュックに入れた。帽子と飲み物、食べ物は現地に着いたらすぐにコンビニで買おうと思った。(しかしこれは甘かった)
海水を入れる記念の空のペットボトルは前夜から準備しておいた。

前夜はやや早めに寝、当日はやや早めに起きた。
休日の定番であるトースト2枚(1枚にはジャムをたっぷりつける)を食べ、その後コーヒーを飲むゆったりとした時間を持った。そして「静かなる闘志」と題して心境をしたためた。

5:50AM 家を出る。格好(ハーパン)は気にしない。冒険家に見栄など無用なのであるし、ローカル線だから問題ない。

6:11 駅を発車。君津行き快速。空いている。君津で内房ローカルに乗り換える。千葉に住んでいながら電車で南下したことはあまりない。田舎のローカル線旅もいいもんだ。

7:16 上総湊駅到着。しかしド田舎の駅だ。ホームには屋根がなく改札に行くまでむき出しの階段を渡っていく。しかし玄関だけはまあまあだった(写真1)。

とにかくまずは出発点である海岸までは行かねば。近くのおっさんに海岸に行く近道を聞いたら親切に教えてくれた。
10分も経たないうちに海岸を臨む公園に着いた。東京湾にしてはいい眺めだ。
すぐにまず儀式にとりかかる。空のペットボトルを波打ち際に差し出す(写真2)が遠浅なので瓶が水平になってしまいうまく汲めない。靴を脱ぎ膝まで漬かるところまで行って汲んだ。
うまく汲めたのだが、足が砂と海水でかなり汚れてしまった。なかなか汚れを払うのは難しい。仕方ないから砂水まみれた状態で靴を履いた。

7:31 記念すべき出発点の海水を汲んだ瓶を持ち上げ、自分でシャッター押し記念撮影(写真3)。いよいよ横断開始だ。

まずはコンビニを探すのだが、上総湊周辺には全然ないのだ。国道465号を行くうちに必ずあるはずだと考え、まずは進むことにした。
出だしは交通量の比較的多い平坦な道が続く(写真4)。なるべく走ることにした。この日の南房総は午前は晴れたり曇ったりだった。日差しが照ればかなり暑いが、曇った時はややしのげた。結果的には、全行程完全に晴れだったら相当きついものになっていただろう。
すぐに車を洗っているオニイサンがいたのでコンビニがあるか聞くと、「あるけどかなり先ですよ」と(まさか走っていく気かい?)と言いたげな変な顔をしている。「かなり先でもいいんで、何kmくらい先ですか?」というと「3kmくらいかなあ」と言う。結果的には3km先にセブンイレブンがあった。

途中販売機で飲み物のペットボトルを買って、走り(歩き)ながらチビチビ飲んだ。
今回もいろんな飲み物を試してみることにした。前回は30分置きに買い一気飲みしたが、今回は持ちながら歩きチビチビと。結果的には今回方式が正解のようだ。

7:54 道はいよいよ登り始めた(写真5)。
8:10 途中、川を右に見てきれいな田園風景が広がる(写真6)。

8:15 セブンイレブン着。帽子がない。仕方ないからフェイスタオルを買い「土方巻き」にすることにした。帽子より日光遮蔽効果があった。しかし顔とか首が露出したのが欠点であった。おにぎり、パンとペットボトル予備を買い込んだ。

8:31 川も渓谷に近い風情になってきた(写真7)。このあたりまではまだ余裕の状況。

房総の山々は標高が少ないのにも関わらず結構険しい。本で読んだが、房総の造山活動はまだ若く、川が山々を浸食してまだ間もないので険しいのだと書いてあった。今回の横断でそうした房総の地形を生で実感できればと思った。写真7の川は湊川。海岸からわずか7~8kmくらいだが、渓谷風になっている。

この先が結構きつくなった。登りの傾斜はきつくないが、日射が強くなってきた。先が見えない長い道が続き、時々、これから先の長い道のりをこなせないのではないか、という不安がよぎる。あるいは、こんなことを計画した我が身がバカバカしく思えた瞬間もあった。
ペットボトルのジュースないしお茶は1時間で500cc1本のペースに設定した。やはりお茶系が一番「暑さ冒険」にはすっきりする。

9:00 いよいよ最初の分岐点である標識が見えてきた(写真8)。これからやっと山道だ。既に結構疲れていたが、気合を入れた。道は右に県道88号線へと折れ、いよいよ房総半島の屋根へと向かう。

88号線は、湊川の上流とほぼ並行するように登っていく。何度か川と交差するので橋を渡ることになる。

9:45 88号線の途中で。まだ完全な山道ではない。結構長い。(写真9)

しかしこの後すぐに本格的な山道になった(しかし全行程車は通れる)。

10:02 湊川上流と交差する橋で撮影(写真10、11)。かなり深い渓谷だ。川は100mくらい下だろうか? 下を見たら足がすくんだが、記念にと写真をとった。まさに房総の山々の侵食活動活発を実感するところだ。
このあたりで一瞬霧雨が降った。大事なものが濡れないようにビニール袋にしまう。

天気はすぐに戻り、また炎天がやってきた。道は戸面原ダムを左に見ながらうねって登っていく。時々強い日差しに照られ日陰がないところを登るのはきつい。(写真12:10:40、写真13:10:43)

10:44 道脇に目をやると深い木々のはるか下の方に川が流れていた(写真14)。

このあたり、登りで日差しが強く本当に滅入る。そろそろ峠だと期待するがなかなか現れない。(写真15:10:57)

時々現れる木陰で足を止め「フーフー」。で、力が戻るとまた日差しを突っ切る。そんなことを繰り返してきたが、ついに耐えられそうにもなくなってきた。
するとどうだろう、何かの標識が目に入った。そうだ「あれが峠に違いない」。そう確信すると俄然元気が出てきた。最後の日差しを通り越え標識の下まで来た(写真16:10:59)。「鴨川市」と書いてある。

ついに峠(木之根峠)まできた。うれしくてうれしくて歓喜した。後ろを向いてこれまで来た道のりを撮影(写真17:11:00)。

峠を越えたのであとは下りないしは平坦だし、とにかく「鴨川」の文字を見てゴールが近い錯覚をしてしまった。しかしこれがとんでもない間違いだった。鴨川市はとんでもなくだだっ広い市だったのだ。そしてこれから先繰り広げられる、予想だにしなかった地獄。後述する。

峠を越えるとそこはバラ色の世界だった。とにかく下りなので楽チン。下から吹き上げるそよ風が心地よく、ルンルン気分で下りてきた。(写真18、19)。汗も引いたし、周囲に広がる風景がまたきれいだ。豊かな植生と酪農家とか園芸家を見る余裕も。おまけに自分の撮影(写真20:11:15)。

11:22 県道34号線(長狭街道)に合流した(写真21)。あとは普通の道をこなすのみ。あと15kmくらいでゴールだと思っていた。しかしこれがとんでもない間違いだった。結果的には25kmくらいありそうだった。

誤解の一つは鴨川市は街の中心部からかなり遠くても「街的」なのである。ふつうの感覚ならあと数kmで街の中心部という様相だが、これがとんでもない間違い。逆に言えば、最初からこれがわかっていたら挑戦していなかったかもしれない。(写真22:11:58。まだまだ序の口のころ)

12:13 34号線を行く。日差しが強まり猛烈に暑くなってきた。何の変哲もない道であり、さえぎるものがない(写真23)。苦しくなってきた。日差しは後ろから照りつけるので後頭部と後ろの首筋が暑い。

12:40 かなり街っぽくなり期待感を寄せるが実はまだまだであったのだ(写真24)。

ここから先、「地獄」の名にふさわしい行軍だった。灼熱の太陽が照りつけ、体力を奪う。ペットの消費も早まる。今回も感じたこと。意外にもコーラが飲みやすいし力になるのだ。変な味のついたものは基本はダメ。吐きそうになる。

夢遊病のような感じで歩き続ける。幸いこれまでのマラソン人生や登山の中で、どれだけ頑張れるかよく知っているので、適当な木陰で頻繁に休みながら行軍を続けた。
本当に気力のみの前進だった。1kmがつらい。自ずと自分の本性が見えてくる。これを成し遂げれば大きな自信になる、そう思って進んだ。

途中ある商店で店のオバチャンと話をした。鴨川駅まであとどのくらいか尋ねるために。50代くらいだろうがかなりきれいなオバチャンだった。「どちらから?」「上総湊です。しかも海岸からですよ。50歳前の記念に横断するんです。」「いいですね、それっ! 素敵です。頑張ってください。」 俄然元気が出て歩き始める。

14:23 ゴールまでどうにかあと5km程度まで迫ってきた。ようやく写真も取れるほどの余裕に(写真25)。

しかしだからといって体はかなりしんどかった。あと10kmだったら無理だったかもしれない。
とにかく鴨川中心部へと進んだ。
するとついに鴨川の海岸のホテル群が目に入った(写真26)。なにかモーゼの行軍でも何でもいいが、朦朧として行軍して見えてきたオアシスのような感動だった。

そしてついに国道128号線との交差点まで来た(写真27)。横断橋を渡り、そして鴨川駅の脇を通り、いよいよ海岸の近くまで来た。
すれ違ったおばあさんに海岸までの道を聞いた。

15:14 ついに鴨川海岸が見えた。(写真28)  疲労感はすっ飛んだ。

15:16 太平洋の海に手を触れ、ついにここに「房総半島横断 Part 2」が成功した。

早速空のペットで海水をすくおうとした(写真29)がやはり難しい。東京湾同様、膝まで漬かり汲んだ。

15:24 汲んだ海水をかざしガッツポーズで記念撮影(写真30)。シャッターはそばにいた18歳くらいのオニイチャンに頼んだ。「東京湾から来たんだよ」「えっ、マジっすか、すごいですね。」 無関心と言われがちな若者に感動を与えたのがうれしかった。

砂を払い、Tシャツを着替え、海を後にし(写真31)、JR鴨川駅に到着(写真32:15:46)。

15:53 鴨川発千葉行に乗車。蘇我で乗り換え、最寄り駅に18:21着。自宅18:40頃着。

ビールで乾杯し、成功を祝した。

4.エピローグ

冒険の名に恥じない厳しい横断だった。
この冒険の目的はほとんど達した。
50歳を迎えるにあたって迷いはない。ただしまだやらなければならないことがいくつかある。

この冒険は通過点に過ぎないが、自分の今後の考えている道が正しいものであることを証明してくれた。

やはり冒険は自分のためである。

2007年8月17日 ST Rocker
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こんばんは

男らしい意味深い冒険でしたねっ!

私の冒険なんて・・近所の新しいスーパーに偵察にいく・・
程度です(冒険とは言いませんね(汗)すみません)。

これからも、冒険して下さいね。

冒険ですよ

はなきゃべつさん
こんばんは。
ありがとうございます。
まあそれほどでもありませんよ(笑)。
新しいスーパーに偵察に行くこと。それは冒険です。
今までなかった自分をちょっとだけ脱する、それが冒険だと思います。
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ST Rocker

Author:ST Rocker
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モットー:理系なのに熱く音楽、政治・経済を語る。
酒と冒険と音楽をこの上なく愛し波乱万丈の人生を送るB型です。
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