「化学」という学問は。(その2、車のフロントガラスの話)
みなさまこんばんは。
今日ははっきりとした寒冷前線が通過したので、その前後で気温が極端に変わりました。
そして今回のガイジンシリーズは今日で全てを終えました。
今日のミーティングは少し反省点あり、65点。
でも最初の3日間が95点なので、全体で90点にしましょう。
肉食により歴史を刻んできたアングロサクソン人は確かに俊発性は日本人より勝ります。
しかし、かつて「エコノミックアニマル」と揶揄されながらも国際化を成し遂げた我が先輩方の努力を無にしないためにも、ガイジンには負けてはいられませんね。
さて、昨日の化学の話には思わぬ反響をいただき自分でもびっくりしています。
私に言わせると、化学は飯を食う道具なのでおもしろくないんですよ。
宇宙や物理や生物の話の方が何千倍もおもしろいと思っているのですけど、読む方は必ずしもそうではないかもしれませんね。
では試みに今日ももういっちょ化学のお話です。しかも今日も表面のお話です。
↓
今日ははっきりとした寒冷前線が通過したので、その前後で気温が極端に変わりました。
そして今回のガイジンシリーズは今日で全てを終えました。
今日のミーティングは少し反省点あり、65点。
でも最初の3日間が95点なので、全体で90点にしましょう。
肉食により歴史を刻んできたアングロサクソン人は確かに俊発性は日本人より勝ります。
しかし、かつて「エコノミックアニマル」と揶揄されながらも国際化を成し遂げた我が先輩方の努力を無にしないためにも、ガイジンには負けてはいられませんね。
さて、昨日の化学の話には思わぬ反響をいただき自分でもびっくりしています。
私に言わせると、化学は飯を食う道具なのでおもしろくないんですよ。
宇宙や物理や生物の話の方が何千倍もおもしろいと思っているのですけど、読む方は必ずしもそうではないかもしれませんね。
では試みに今日ももういっちょ化学のお話です。しかも今日も表面のお話です。
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液体の化学も固体の表面の化学も結局は同じことです。
ある異種の物同士が触れ合う時、その接している部分同士が反応を起こすか、何らかの相互作用を起こすか、です。
反応というのは、分子の中の原子または原子の集団が入れ替わり新たな結合とかつながりを持つことです。
反応はしなくても、あるものをくっつけたり、引きつけたり、あるいは逆にはじいたりするのも化学の現象の一つです。
今日の話は、反応ではなく、「なじみ」の話です。
Aという物質とBという物質がなじみやすいためには、AとBの性質がなるべく似ている必要があります。
物の性質としては何通りもの分け方があるのですが、代表的な物の一つが「極性」と言います。
専門的に言うと、分子の中に、電気的に陽性(プラス)の部分と電気的に陰性(マイナス)の部分がくっきり分かれて、電気的な向きが出来上がっている分子が「極性の高い分子」と言います。
水は極性の高い代表的な分子の一つです。
水はご存じのようにH2Oという分子です。水素のところが電気的に陽性、酸素のところが陰性ですので、水分子は電気的に分布がくっきり分かれて向きができています。
ですから、食品を電子レンジの中に入れてチンをすると、食品中の水分子が、電子レンジから与えられる電気の方向(専門的には「電場」と言います)が1秒間に何十億回以上も向きが行ったり来たりするので、水分子がその電場の動きに誘われて超高速でクルクルと向きを変えるのです。
そのために激しい摩擦が起こり、食品がその摩擦熱で加熱されるのです。
それに対し、電気の分布が際だっていなく、のっぺりしている分子が「非極性」な分子と言います。
油やプラスチック(一部を除く)は代表的なものです。
よく「水と油」と言いますね。
極性の高い物質と低い物質はなじみが小さいので混じり合わないのです。
逆に極性が近い物同士であれば混じり合います。
一方が固体でもう一方が液体の場合は、極性が違う場合は液体が玉になってしまいますが、極性が近い場合は固体の表面に液体がよくなじんで広がった状態になります。この状態を専門的には「濡れ性がよい」と言います。
さて前置きが長くなりましたが、車のワイパーの話です。
フロントガラスはSiO2という化学組成です。
ガラスの極性はまあまあ高い方ですが、水ほど高くありません。
ガラスの上に水を垂らすと、お椀のようにある程度盛り上がった状態の半分の玉のような状態になります。
その球を真横から見るとある角度で接しています。
その角度を専門的には「接触角」といいます。
接触角が高いほどその液体はその下地に対し濡れにくいというわけです。
車のワイパーは未だに原始的な装置です。
あんなものなくしたいですよね。
ではどうすればよいでしょうか。
大きく分けて2つの考え方があります。
1つは、雨滴を全くはじいてしまうこと。
フロントガラスに水が1滴も付かなければクリアに前が見えますもんね。
もう1つは、雨滴を抜群に濡れさせてガラスの面をきれいに覆ってしまうこと。
まばたきによって眼の表面を涙できれいに覆っているのと同じ原理ですね。
要するに、ガラスの表面を思い切り非極性にするか、あるいは正反対に思い切り極性にするか、なんです。
開発の方向としては、ガラスそのものを別の物質にするか、ガラスの表面だけを工夫するか、
さらには、表面を工夫するにしても化学的に修飾するのか、物理的形状を工夫するのか、といった考え方のバリエーションがあります。
アイデアはいろいろ出るのですが、実際に成し遂げるのは大変難しいのです。
詳しい話をここではできないのが残念です。
みなさまいろいろ解法を想像してみてください。
液体の化学も固体の表面の化学も結局は同じことです。
ある異種の物同士が触れ合う時、その接している部分同士が反応を起こすか、何らかの相互作用を起こすか、です。
反応というのは、分子の中の原子または原子の集団が入れ替わり新たな結合とかつながりを持つことです。
反応はしなくても、あるものをくっつけたり、引きつけたり、あるいは逆にはじいたりするのも化学の現象の一つです。
今日の話は、反応ではなく、「なじみ」の話です。
Aという物質とBという物質がなじみやすいためには、AとBの性質がなるべく似ている必要があります。
物の性質としては何通りもの分け方があるのですが、代表的な物の一つが「極性」と言います。
専門的に言うと、分子の中に、電気的に陽性(プラス)の部分と電気的に陰性(マイナス)の部分がくっきり分かれて、電気的な向きが出来上がっている分子が「極性の高い分子」と言います。
水は極性の高い代表的な分子の一つです。
水はご存じのようにH2Oという分子です。水素のところが電気的に陽性、酸素のところが陰性ですので、水分子は電気的に分布がくっきり分かれて向きができています。
ですから、食品を電子レンジの中に入れてチンをすると、食品中の水分子が、電子レンジから与えられる電気の方向(専門的には「電場」と言います)が1秒間に何十億回以上も向きが行ったり来たりするので、水分子がその電場の動きに誘われて超高速でクルクルと向きを変えるのです。
そのために激しい摩擦が起こり、食品がその摩擦熱で加熱されるのです。
それに対し、電気の分布が際だっていなく、のっぺりしている分子が「非極性」な分子と言います。
油やプラスチック(一部を除く)は代表的なものです。
よく「水と油」と言いますね。
極性の高い物質と低い物質はなじみが小さいので混じり合わないのです。
逆に極性が近い物同士であれば混じり合います。
一方が固体でもう一方が液体の場合は、極性が違う場合は液体が玉になってしまいますが、極性が近い場合は固体の表面に液体がよくなじんで広がった状態になります。この状態を専門的には「濡れ性がよい」と言います。
さて前置きが長くなりましたが、車のワイパーの話です。
フロントガラスはSiO2という化学組成です。
ガラスの極性はまあまあ高い方ですが、水ほど高くありません。
ガラスの上に水を垂らすと、お椀のようにある程度盛り上がった状態の半分の玉のような状態になります。
その球を真横から見るとある角度で接しています。
その角度を専門的には「接触角」といいます。
接触角が高いほどその液体はその下地に対し濡れにくいというわけです。
車のワイパーは未だに原始的な装置です。
あんなものなくしたいですよね。
ではどうすればよいでしょうか。
大きく分けて2つの考え方があります。
1つは、雨滴を全くはじいてしまうこと。
フロントガラスに水が1滴も付かなければクリアに前が見えますもんね。
もう1つは、雨滴を抜群に濡れさせてガラスの面をきれいに覆ってしまうこと。
まばたきによって眼の表面を涙できれいに覆っているのと同じ原理ですね。
要するに、ガラスの表面を思い切り非極性にするか、あるいは正反対に思い切り極性にするか、なんです。
開発の方向としては、ガラスそのものを別の物質にするか、ガラスの表面だけを工夫するか、
さらには、表面を工夫するにしても化学的に修飾するのか、物理的形状を工夫するのか、といった考え方のバリエーションがあります。
アイデアはいろいろ出るのですが、実際に成し遂げるのは大変難しいのです。
詳しい話をここではできないのが残念です。
みなさまいろいろ解法を想像してみてください。
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