一極集中に思うこと

みなさまこんばんは。
秋も深まってきましたね。
サンマをつつきながらビールもよし。
鍋で癇酒もよし。

今日は少し珍しくメンタルなお話です。
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僕は時々書くようにがん患者である。
それを自慢するために書くのではない。あるいは憐みを乞うために書くのでもない。
がんを乗り越えることにより初めて得る感動を純粋に伝えて、みなさんと共有し、さらには同胞を、さらにはみなさんに元気になってもらいたいと願うからだ。
今現在がんはないし症状もなく、再発や転移しないことを定期的に確認している状態なので、正確には「患者」とは少し違う。
でも未だに、少しではあるがその確率があることは、正常人よりはほんの少し危険領域かもしれない。

今日、都内のT病院のK医師に先週の検査の結果を聞きに行った。
幸い異常なしだった。がんが見つかってから2年9か月OKということだ。
この分野では世界一尊敬するK先生だ。
人となりも仕事への取組みも、スポーツも、データの解析もみな尊敬している。
徹底的なディスカションの末、僕の命を託した先生だ。

がんは治療後5年経て再発や転移がなければほぼ完治とされる。
仮に、完治率の数字を、治療直後に0%、5年後に100%と仮定すると、数字は年数を経るに従い直線的に上がって行くのではない。
がんの種類や症例によるので一概には言えないが、僕の大腸がんの場合は、1年後にほぼ50%まで上がり、2年後に75%位、3年後には90%位、4年後には95%程度である。
症例やがんのステージ、病院や医師の実力その他で数字の絶対値は結構変わるが、再発や転移は初期ほど起こりやすいという傾向は共通している。

再発や転移が見つかったということは、取ったつもりのがんが実は残っていたという意味だから、それだけしぶといがん細胞がいたことであり、治療も難しいのが現状である。でも決してあきらめてはならない。

だから、僕の場合はほぼ完治に近づいたとは言える。
ただ、少ないながらも依然としていつ「あと半年」になるかわからないので、そのケースも想定して、やりたいことを最優先させる予定を立てている。

がんに罹った人のショックは、まずはがんが見つかった時だ。
治療の過程でも苦労は多い。
そして、一般にはあまり知られていないのだが、本当の苦労は治療後の5年をどう乗り越えるか、だ。
そして、もちろん治療に難航を極めていらっしゃる患者さんだ。

後者の方々には僕はそれほど自分の体験を参考にできないかもしれない。それはまた改めて書きたい。
前者の方々には僕は確実にメッセージを差し上げられる。
僕のケースにおいては、僕は多分かなり精神力は強いと思うし、かなり明るいと思う。同胞の人たちにこの気持ちを共有してほしい。
これは単に気合いではなく、かつて本を1年に1000冊読んで考える軸ができたことやあらゆる人と交流して人間の幅が広がったからだろうと思っている。

がん患者にとって治療後5年をsurviveする試練。それもまもなくなくなるかもしれない。
がん幹細胞をやっつける研究が順調に進んでいるからだ。

というわけでここまでが前置きです。(長い!)

今日は一極集中と満員電車の関係のお話です。

僕は一昨年の正月明けにがんが見つかりました。
T病院K医師により手術を受け成功しました。
大腸がんには術後の抗がん剤治療により再発・転移がかなり抑えられることが統計データで出ていたので、K医師とディスカションの末、半年間の抗がん剤治療を受けました。
ところがこの抗がん剤治療が世にもしんどいものでした。
今でもその副作用の種類があっと言う間に両手の指で数えられるほどのものです。
中でも、半年間中起きている間の絶え間ない吐き気、食べ物の味がない、どうしようもない倦怠感、などが主なしんどさでした。
はっきり言って生きていても全く楽しくありませんでした。
もうこの先、楽しい仲間と酒を酌み交わして騒ぐことなど訪れないと感じていました。

そんな中、仕事を休まず、当時は毎日都心の本社まで通っていたのです。
オフィスで座って仕事をしていると吐き気に耐え切れず、2時間ごとに外に出て、皇居のお堀の近くまで散歩し深呼吸してようやく元に戻ります。
千葉から都心までの満員電車は試練でした。
倦怠感からしゃがんでしまうこともたまにあったのですが、人はなかなか席を譲ってくれません。

ところで僕は、以前から「人に席を譲り魔」なんです。
最初から座っている者が最後まで座る習慣はおかしいと思って。
少し時間が経ったら、前の人に「そろそろ座りませんか」って言うのが本来の人間じゃないかな、と思って。
だから僕は、相手が若い人であってもとても疲れているように見えたなら、「どうぞ」って言ってきた。
偽善でもなんでもない。
もちろん、老人や妊婦さんが優先だけど、健常者でもお疲れに見えたら席を譲る。

だから、抗がん剤治療期間でも、調子がよい時はそうしてきた。

・・・でも、よくよく考えてみると、なかなか席を譲らない傾向にも理由がありそうだ。
きっとみんないっぱいいっぱいなんだと思う。
みんなお金を稼ぐのにあらゆる辛い試練を経て、身も心もパンパンに違いない。

始発駅から座っている人は都心から遠い住居を選んだ人だから、朝早く起きなくてはならない。
しんどい仕事に加え朝早く起きるのだから座席は絶対に譲りたくないのもわかる。

比較的都心に近い人は座れないけど、その分遅くまで寝ていられる。

そう、みんなトレードオフの関係なのだ。
そこで僕は考えた。「一極集中こそがトレードオフの関係しか作れない」、と。

一極集中のない首都を想像してみよう。
東京のように千代田区を中心に放射状になっているのではなく、網目状の構造とか。
企業の本社も必ずしも中心にあるのではなく、網目のどこにあるかわからない。
電車や車は、網目の中を適宜混雑するのであって、1点に向かってどんどん混んでいくのではない。
どこに向かうのでもそこそこ混んでいる程度だろう。

どこに住んでもよい。そしてそこに住む理由も様々だ。
そして大事なことは、トレードオフなんてないことだ。

・・・と、ここまで書いて思ったのは、日本の首都を網目状構造にすると通勤客のストレスは減りそうだが、首都の機能としては一極集中の方がいいのだろうか?
政治や企業の機能からも考えてみたい。
そして、もし一極集中がよしとなった場合に通勤客がストレスがたまらないうまい技術的方法があるか、である。
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鍵コメさん

こんばんは。
いつもありがとうございます。
鍵コメさんの周囲で起きたことと、鍵コメさんのお人柄を思うと、その人生観はよくわかります。
もし何か起きたら僕にお任せください。

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ST Rockerさんへ

今日の記事は、とても考えさせられる内容で、
学ぶことたくさんでした。

病気になった人じゃないと分からない辛さ、苦しさ、
それらを必死で乗り越えてきたからこそ(仕事もしていたなんてスゴイです!)
今のST Rockerさんの強い心、
そして周りの人に対する思いやりがあるんだと思いました。

ST Rockerさんを見習って、私ももっと人生頑張ります!楽しくね♪^^

No title

ST Rockerさん こんにちは^_^

寒くなってきましたね。
こちらは、今週中に雪予報です。

ST Rockerさんは、とても思いやりがあって優しい人ですね^_^
今回の記事を読んで より実感しました。
そして、治療と闘いながら お仕事休まずに頑張ってこられたST Rockerさん!強い精神力ですね‼︎
桜ようかんの弱音は、小さなもの。
もっと、強く、もっとチャレンジしなくちゃ☆☆☆
と思いました(^ー゜)
ありがとうございます☆

11/7 07:36の鍵コメさん

こんばんは。
大変うれしいコメントをありがとうございました。
鍵コメさんは最近はお元気ですか?
ブログはよく拝見しています。ご家族とよい時間をお過ごしのようですね。
はい、僕はこの病気を乗り越えるのに是非元気を差し上げたいので、もしその方に機会があれば是非読んでいただきたいです。
そして新たな街づくり、興味深いですね。
僕も東京オリンピック心配になってきました。
では明日もよい日でありますよう。

ももこさん

こんばんは。
秋も深まってきましたね。お元気でしょうか?

読んでいただきとてもうれしいです。
とにかく無我夢中でやってましたから、どこまで人に役に立つかはわからないけど。
頑張ればその先かならず得るものはある、ということは絶対に言えると思います。

ももこさん、学ばせていただいているのは僕の方です。
これからも期待していますね。

桜ようかんさん

こんばんは。
えっ、もう雪ですか!
でも平年並みくらいでしょうか?
なんか、大雪の時のいろんな桜ようかんさんの記事が昨日のことのようです。またその季節がやってきたのですね。

今回の記事読んでいただきうれしいです。
たしかに仕事休まないのはかなりしんどかったでした。
どこまで自分が優しいかはわかりませんけど、やれるだけはやりたいですね。

桜ようかんさんこそ強い精神力と人への思いやり。僕はいつも尊敬しています。

No title

つらくなったら、このブログに来ようと思いました。

何故か 頼りになると思いました。

ナースがこんな事を言うもんじゃないけど

癌って 本当に 盲目的にコワイです。


(又 お話を 見に来ますね。)


このブログは、 色んな方のためになると思いますよ。

心強いって感じです。    m(__)m   &   (*^-^*)

ゆりママさん

こんばんは。
コメントありがとうございました。
そのようにお感じになっていただいたことは、冥利に尽きますね。
うれしいです。

ゆりママさんのような医療のプロの方を前には適当なことは言えません。
しかし、「がん」というものでいかに人が苦労しているあるいは怖がっているのを少しでも取り除くことを僕は是非やりたいです。

お辛い時も楽しい時も是非いつでも遊びにおいでください。

No title

ST Rockerさん、こんにちは^^

ST Rockerさんの言いたい主旨と少し変わりますが、私は日本に来た時にカルチャーショックから不眠症に陥った事があります(^^;
私はメンタルはだいぶ強い方だと思うのですが、言葉の壁、文化の違い、相談する友人が皆無に近かったなどと追い込まれてしまったんですね。

そんな時、ある人に「この現代社会ストレスを抱えてない人はいません。また、ストレスは一生無くなりません。だから上手に付き合えるようになりなさい。」と、言われて目から鱗だったのを覚えています。

それ以来、通じればいいや精神はそのまま残しつつ、日本語を勉強し、日本に住んでいく過程の中で友達を作り、今は心豊かに毎日楽しく過ごしています。

大病を患った事がないので、患者様や現在も治療に苦しんでいる人の心や痛みは完全に分かりかねますが、私のように少しでもストレスと上手に付き合えるようになれば、多少なりとも気持ちがラクになれるのではないかな・・・と思ってコメントさせて頂きました。

若輩者が偉そうな事いって恐縮ですが、誰かに参考になれば幸いです^^

No title

ふふふ。ST Rockerさんらしいですね(^^)

もちろん、ST Rockerさんが仰ってる事よーく分かります!
何時でも何事にでもですが、ST Rockerさんの真意を理解できない人も世の中にはいると思いますが、気持ちが伝わる人もたくさんいることは確かですし、ぜひそのパワーを伝染していってください♪

私も電車で割と立っている事が多かったのですが、治療を始めてから疲れやすくなり座るようになりました。見た目元気そうなのもあって、座る事に引け目を感じると言うか居心地悪いのですが・・・最近は自分の体調優先で座らせてもらう時も多々あります。自分が病気にならなかったら、見た目が元気でも具合悪い人がいるなんて考えもしませんでした☆

私も年が明けたら、手術から丸2年になります。
まだまだ頑張りますよ~(^O^)/

みなりなさん

こんばんは。
今週もお仕事お疲れさまでした。
(いや、みなりなさんの場合週末も少しお仕事あるんですよね。)
医療のお仕事大変でしょう。

さて、みなりなさんの貴重な体験とお考えを綴っていただき感動しました。
なるほど、日本に来られての壮絶なご苦労ですね。
僕も欧米人とは何十年も体当たりで接してきたので、その一片は理解できるかもしれません。
でも長期間住んだ場所がガラッとかわるその変化は体験した人でないとわからないことでしょう。

みなりなさんを拝見しているとなんか、日本人以上に日本人らしいところがあります。
世の中にはバイリンガルの人はある程度いますけど、バイカルチャーの人はそうそういません。
その素敵なキャラクターは必ずこれからの人生で大きく役に立ち、人に影響を与えることでしょう。

花音さん

おっと、いきなり悩殺スマイル!
そしてさすが花音さん観察力すごい。
お見通しです。

こんな僕ですが、賛同いただきうれしい限りです。
そうですね、もっともっと発信しますよ。

花音さんも電車の中で意識が変わったのですね。
自分もしんどいから座りたいし、そしてだから、人の気持ちも察するようになりますよね。

がんsurviveは僕が1年先輩ですね。
「折り返し地点祝い」かな。
プロフィール

ST Rocker

Author:ST Rocker
ビートルズ解析ブログへようこそ!
つくば-千葉-さいたま の三角形を行き来していますす。
モットー:理系なのに熱く音楽、政治・経済を語る。
酒と冒険と音楽をこの上なく愛し波乱万丈の人生を送るB型です。
ご気楽にコメントください。

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