デジタルリマスタリングについて考えてみた

みなさまこんばんは。
秋も深まり冷え込んで来ましたね。
雪の便りもちらほら聞こえてきます。

今朝関東で地震があり、いろんな方からご心配いただきましてありがとうございました。
こちら茨城(「いばらき」ですよ)も全然問題ありません。

今日は音のお話です。
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僕は音楽を聴く時は「自分なら弾けるだろうか歌えるだろうか」とか「ここはこう弾いているのだろうか」などと考えるので、よい音を追求しようという欲望はあまり高くありません。
そんな僕ですが、2009-9-9(僕の誕生日です)に発売されたビートルズのデジタルリマスター版はさすがに関心がありました。
旧版CDと聴き比べたところ、「たしかに違うなあ」と感じるところはありました。特に楽器が分離して聴こえる気がしました。

今月はポール・マッカートニーのコンサートですので、彼の新譜である"New"を買いました。
ついでに、彼がビートルズ解散の年に出したソロアルバム"McCartney"のデジタルリマスター版も買ってみました。
この"McCartney"は彼が初めて全ての楽器を自分で演奏するという完全一人多重録音ということで、僕は大変尊敬していました。

そこでじっくり聴いてみました。
しかしデジタルリマスターにより何が変わったのか、正直よくわかりませんでした。
その理由は、僕の想像ですが、このアルバムは音源の数が少ないからではないでしょうか。
もし仮に音源の数が1つなら、デジタルリマスタリングという概念そのものがなくなるはずですから。

では、僕が思い浮かぶデジタルリマスタリングの理解を下記のように図示してみます。
(もし違っていたらご指摘ください。)



これを書きながら僕は重大な疑問にブチ当たりました。
デジタルマスタリングって、原理的にはかえって音を悪くしているはずではないか?
なぜなら、そもそもデジタル化というのは情報を簡素化することです。
デジタルの単位を細かくしていけば情報量はどんどん増えますが、それでも原理的には、アナログ情報は連続ですので無限大なのに対し、デジタル情報はそれを省略し合理化することです。

例えば次のようなことを考えてみましょう。
あるレコードを作ろうとして、アナログ録音した楽器Aの440Hz(ラの音)のある瞬間の音量は5.789であり、楽器Bのそれは7.654だったとします。
レコーディングエンジニアはAとBの音をミックスします。
ここで、話を簡単にするためにミキシングレベルがどの楽器でも一定とします。
すると、ミキシング後のアナログマスターテープでの440Hzでのその瞬間でのA+Bの音量は5.789+7.654=13.443です。

次に、デジタル化とは、ここでは小数点以下2位を四捨五入するとします。
レコード作製のために作ったアナログマスターテープをデジタル化すれば、440Hzでの全音量は13.4です。

では次にデジタルリマスタリングを考えてみます。
デジタルリマスタリングではレコード用アナログマスターテープ以前の音源をデジタル化します。
アナログA音源の440Hzの音量は5.789だったので、そのデジタル化により音量は5.8になります。
同様にB音源のデジタル化により音量は7.7になります。
よって、デジタルリマスタリングによるマスター版の440Hzでの全音量は5.8+7.7=13.5になります。

どうですか?
デジタルリマスタリングでは最終的に得られた値の誤差が広がりますね。
ということは、原理的にはデジタルリマスタリングは真実の音からぶれる可能性が高くなりますよね。

ここまでは僕の個人的理解における論旨展開でした。
仮にこの論旨が正しいとして、実際にはデジタルリマスタリングによるCDは旧版CDより音がよいのは確かですし、場合によりレコードよりも音がよいかもしれません。
とすると、僕の上記の論旨においては一部実際と違う部分があることになります。

僕の想像では、アナログのマスタリングにおいてはきっと原理的なAとBの足し算が成り立たないのではないでしょうか?
きっと、録音テープの情報密度にキャパがあるか、あるいはその他の理由でミキシング時にAかBのいずれかが犠牲になるのではないでしょうか?
あるいは、ノイズの問題でしょうか?

そういえば、ガスクロマトグラフィーにおいて、多成分系ではピークの加成性が成り立たない場合がありすね。(スミマセン、技術系な話で。)

では今日はポールのPut It Thereという曲をお聴きください。
この曲は1989年のFlowers in the Dirtというアルバムに収められています。
アコースティックギターを基調にしたとてもよい曲です。
詞もとってもいいですよ。

僕が1990年に仕事で初めてアメリカ本土に出張した時、
帰りのノースウェスト機の中でウォークマンで聴いた曲です。
客室乗務員であるアフリカ系女性や白人男性のあの赤い凛々姿に感動しながら何十回も聴きました。
そして1991年3月の東京ドームコンサートでこの曲が披露されたのでした。

それほど難しい曲ではないので、是非耳コピして弾き語りやってみたいと思います。
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鍵コメさん

あらら、それはびっくり。
それで考え方似てるんですね(笑)
改めてよろしくお願いします!

デジタルリマスター

CDが登場した当初は、A面B面がなく、ひっくり返さずにすむ、
好きな曲の頭出しが楽になる、レコード針のノイズがなくなると、
良いことだらけに言われましたが、音響マニアの評判は悪くて、
アナログ盤の暖かみがなくなった、などと批判が出てきました。

カットされる周波数帯を減らすよう、サンプリングのビットを上げ、
アナログ音源のノイズを削除する、デジタルリマスターとなっても、
同様の批判はあるのでしょうが、音像がくっきりする気もします。

ミキシング前の音源があり、デジタルリミックスとなると、さらに、
オリジナル音源をいじることへの、批判とかも噴出しそうですね。

レットイットビーのネイキッドは、明らかにリミックスしていますが、
フィルスペクターの編集が嫌いなポールは、絶賛してたようです。

ギターマジシャンさん

おはようございます。
僕らの世代ですとレコード、エアチェック、カセットテープに愛着がありましたよね。
そしてCDが現れ、その便利さはおっしゃる通りに感じました。
しかし初期はたしかにCDは欠陥があったようですね。
多分、倍音みたいな細かい部分を再現できなかったからではないでしょうか。

昨日は原理を考えてみました。
僕が思うには、容量の問題をとっぱらえば、原理的にはアナログの方が音はよいはずだと思います。
マスターテープをそのまま聴くような媒体があればすごいことですね。

No title

デジタルリマスタリングが音が悪いのではないかというのには、やや疑問を感じますし、また、仮に音が悪くなるとしてめ、ここに書いてあるような理由ではないと思います。
例えば、一般の人でも手に入る安価なオーディオインターフェースでアナログ音源をCD 規格のデジタル化して取り込んで、それをCDに焼く…みたいな話だったら、確かにここに書いてあることは理解できますが…

ビートルズのデジタルリマスタリングに使われたデジタルレコーデングシステムは勿論のこと、プロのレコーデング現場ではシステムの性能は桁違いです。例えば、アナログ音源をデジタルに変換する場合、もしくはデジタルレコーデングでのサンプリング周波数は、最低でも96KHz、量子化は24ビットであり、最近のデジタルレコーデングシステムでは192KHz 64ビットも可能となっています。また、最終的にCD 規格の44.1KHz 16bit に変換する場合も、無理矢理圧縮するような単純なやり方ではないとモノの本で読んだことがあります。
私はアナログとデジタルで、音質の違いがあるとするなら、それは再生システムの性能の違いに起因しているんじゃないかと思っている次第です。

カラシナセブンさん

おはようございます。
大変ご丁寧なコメントをいただきどうもありがとうございました。
かなり音に詳しくていらっしゃいますね。
実際の音の作製現場でのお話は大変参考になります。
また、おっしゃるように再生側での状況の違いも影響しますね。
ありがとうございました。
プロフィール

ST Rocker

Author:ST Rocker
ビートルズ解析ブログへようこそ!
つくば-千葉-さいたま の三角形を行き来していますす。
モットー:理系なのに熱く音楽、政治・経済を語る。
酒と冒険と音楽をこの上なく愛し波乱万丈の人生を送るB型です。
ご気楽にコメントください。

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