数と率の違いについて

みなさまこんばんは。
本当によい気候が続いています。ただ朝晩は冷えますね。
北海道は桜の開花が来月ですね。
お元気でしょうか?

昨日の記事で「率と数」のことに少し触れましたので、今日はこのことをやや詳しく書いてみます。
--------------------------------------
数が多い少ないの議論はもちろん必要な場合はあります。
しかし科学の手法においては、数だけで物事が説明し尽されることは稀であり、率の議論が欠かせません。
最終的に科学による発見は世の中での実用化を目指します。
ある現象の発見時には「***」の条件で何%の率で起こる事柄が、最終的には「***」の条件で99%の歩留まりにて実用化された、のような論法が通常です。

その現象が起こるためのファクター(要素)とそのメカニズム(機構)の解明こそが科学の手法と言えるでしょう。

こうした科学における重要なことは何も科学だけに特有なものではありません。
実はあらゆる学問にある程度共通なことなのです。
例えば社会学を例に取ってみましょう。
あまりよくない例かもしれませんが、わかりやすいので、我が国における死亡者数を考えてみましょう。

がんや脳卒中による死亡はここでは除き、不慮な死亡を考えてみます。
最近のテレビではよくコメンテーターがこんなことを言います。
「最近は猟奇的な殺人が増えており、社会のあり方が問題だ。特に若者を取り巻く環境が異常である。」などと。
もちろん、昔は見られなかった類の殺人事件が起きたりしており、報道でも大きく取り上げられています。

しかしコメンテーターは一面を見ているに過ぎません。
実は今の我が国の殺人件数は年間1,000人を割っており、戦後減り続けています。
昭和の初期は2,500人程度もありました。

それに対し、自殺者は年間2万人以上です。特に働き盛りの男性が多いです。
交通事故による死亡者数は今4,400人くらいです。

要するに、ある集団のうち、年間どの程度の率が殺人、自殺、交通事故で亡くなるのか、がまず考えなければいけないポイントだと思います。
ここで言う集団とは、例えば成人の数であり、労働者の数であり、運転者の数・・・かもしれません。要は分母は異なるということです。

それにより取るべき対策が違ってきます。
言うまでもないですが、率が低い死亡の種類を軽視しているのではありません。
例えば、猟奇的な殺人を犯す人間の把握や更生をどうすべきかは、率によりやり方が違ってくるでしょう。
また、自殺防止には社会の仕組みから変えないといけないとかの議論をすべきでしょう。

もう一つの例として、タバコが健康に与える害について考えてみます。
タバコは今や悪者の代表格として、肺がんはじめあらゆる病気の原因になると考えられ、また嫌煙権も進み、世の中の片隅に追いやられた感があります。
では実際問題、どの程度病気の原因になっているのでしょうか?

実はそれを突き止めるのはものすごく難しいのです。
なぜなら、タバコは病気の原因の一つであり、原因は他に食べ物やストレス環境その他いくらでもあるからです。
もし、本当に正しい比較実験を行うなら、一卵性双生児の方で、しかも育った環境が全く同じである方々に登場いただき、タバコ以外の条件は全く同じにして、一方にはタバコを吸っていただき、もう一方は吸わないで、初めて意味のある実験になるのです。
仮にタバコ以外の条件が違ってもそれを補正できればいいですが、たいていの場合は難しいことです。

現実的には上記のような比較実験はできませんので、なるべく多くの被験者に協力いただき、できる限り多くの要素を解析して、統計学的手法によりタバコの寄与率を算出するのがせいぜいです。
僕の知る限り、タバコが飛びぬけて高い病気の原因への寄与率になっているデータは見たことがありません。

ちなみに僕自身はタバコは吸わないので、個人的にはタバコが身の周りからなくなった方がありがたいですが、きちんとしたデータと解析の結果で判断したいですね。
そしてタバコのマナーは守ってほしいですね。

では今日はこのへんで。
スポンサーサイト

テーマ : その他
ジャンル : その他

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

No title

 二日酔いの頭には難しいことです。
 近藤誠先生によると、がん検診でがん死亡率は減りましたが、がん死亡者数は変わらないそうです。
 だから、がん検診でがん患者はたくさん見つかったものの、放っておいていい癌まで見つけてしまい、過剰な治療をしてしまうと。

 ずれたコメントで失礼しました。
 

ひねくれくうみんさん

こんにちは。コメントどうもありがとうございました。
昨日は飲み会でいらっしゃいましたか?

近藤誠先生の考え方は僕もかなり前から興味を持っています。自分ががんにかかるずっと前からです。
近藤先生のことについては、下記の記事に書きましたので、よろしければ読んでください。

http://strocker.blog62.fc2.com/blog-entry-598.html

その他、がんのことについてもいろいろ書いてきました。
これからもよろしくお願いします。
プロフィール

ST Rocker

Author:ST Rocker
ビートルズ解析ブログへようこそ!
つくば-千葉-さいたま の三角形を行き来していますす。
モットー:理系なのに熱く音楽、政治・経済を語る。
酒と冒険と音楽をこの上なく愛し波乱万丈の人生を送るB型です。
ご気楽にコメントください。

最新記事
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
最新コメント
FC2カウンター
Number of visitors
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード