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ビートルズ解析例 その9-2 (微修正)

昨日の解析例その9「Yesterday 7小節の謎を解明する」は、新たなモチーフのもとオリジナルなアイデアを提供させていただいた、と思っている。しかし、最後の結論がいまいちインパクトに欠けていた。
昨日から丸1日考え抜いて、ここに微修正をするに至った。

昨日の論旨としては、Yeterdayは短調の標準でもなければ長調の標準でもない、両方の要素が出てくるし、明確な繰り返し単位も認められない、多彩なコードが出てくる。
人間に喩えれば、人間の胴体に、鉄の頭、プラスチックの手足をつなげた「サイボーグ」のようであり、それでいて違和感を感じず、全体が素晴らしい一つの個体の生き物のように感じる。

このような異種のもののつなぎ合わせゆえ、もはや標準的小節数の理屈が当てはまらなくなり、合計7小節でもおかしくなく感じるのではないか、と。
ここまでは多分間違っていないと思う。

では、何故この異種の接合体が不自然に感じないのかの理由として、昨日は、「GとCの2音しか弾かない」特殊なGのフォームが緊張感をもたらし、いわばGmのようにも聴こえて、マイナーコードたちとうまく取り継ぐからではないか、と説いた。
しかし、今日、それを訂正したい心情が沸き起こってきた。その理由は次のような事実からである。

ビートルズ解散後、1976年のWings USAライブあたりから、ポールはYesterdayを弾き始めたが、出だしのフォームは「普通のG」であった。つまり、B(3度)の音をも含む普通のGだったのである。レコードの奏法(GとCだけ)の方がいいが、普通のGでもそんなに変に感じなかった。そしてその後もついぞポールはレコード方式で演奏したことはない。
あのレコードの奏法はもしかしたらジョージ・マーティン(プロデューサー)に指示されてのことかもしれない。最初はポールは普通のGで作曲して、ジョージに強制されたのかもしれない。
1965年前半の時点では、まだまだポールも音楽的に完成されていなかっただろうし、マーティンの力も強かったと思う。その反動で後のライブではマーティン方式から逃れたのかもしれない。

そして、もう一つ。Anthology(解散後大分経ってから編集された秘蔵テイクの数々)でポールがYesterdayを生ギター1本で弾き語る部分がある。
ポールは、「僕はGで弾くけど、聴こえるのはFだよ」などと言いながら弾いている。
このことからも、コード進行(メジャーGで始まる)そのものはポールのアイデアであろう。

実際私もギターを取り出して弾いてみたが、普通のGでもレコード方式のGでもそんなに変らない気がする。
どうもポイントはここではない、と結論するしかない、と思われた。

そこで話を元に戻し、Yesterdayのコード進行に再度注目する。
冷静に観察すると、まず変っていることが、2小節目でF#mという通常キーGでは決して登場しないコードが登場すること。
これに伴い、この部分のメロに♯が2箇所付き、明らかに特殊な工作の一つと言える。

もう一つ今日、大きな特徴に気が付いた。
この7小節、前半と後半の境目がどうもはっきりしないのである。
神田川みたいに明確な繰り返しパターンがあれば分り易いが、Yesterdayの場合、1小節目と5小節目がGであることが共通な他は、まったく進行が違う。
5~7小節がGで始まる起承転結部分かというとそうでもない。
5小節目(G)(here to stay. Oh)は詩の意味からも音階の意味からもスターターではなく、「途中」なのである。
もしスターターなのなら、3小節という中途半端でこんなに自然に終わるわけはない。
5小節目は明らかに4小節目(C、D7)(Now it looks as though they're)の「受け」である。
しかし、では4小節目が後半の頭かというとそうでもない。
C、D7という脇役的コードは、神田川でもそうであるように、「副題」でしかない。頭を取り持つコードではなく、その前のコードの受けなのである。

となると、4小節目は、3小節目の受けと、5小節目の予告を双方兼ねた存在と言えないか?
4小節目は3小節目の受けであるのは普通であるにしても、通常は4小節で一旦仮帰結するのだから、5小節目が4の受けになることは普通ない。
つまり、「C、D7」が4小節目に存在していることがかなり変っていると言えよう。

なぜこんなことになったかと言えば。まず1小節目のGから2小節目の頭のF#m7に無理やり橋渡ししたこと。
まずここを不自然にやったこと。
コード理論を無視した展開である。
これはおそらく、「半音下げギター感覚」のなせるわざであろう。
If I Fellなんかで出てきたように、バレーを1フレット下げてコードを弾くと結構いい感じになるのだ。
そこから、コードが展開して、展開して、展開してGに戻る。
3回の展開のうち、どれも似た感じで展開するので、どこかで真っ二つにぶった切れない。
6小節目の後半のA7もポイントだ。A7も通常Gではあまり出ないので、後半3小節でうまく最後、Gに戻した。
このトリックをより自然に見せるためにメロディーがうまく取り持っているのであろう。

あるいは、別の見方をすれば、最後の7小節目は、やや不自然にとり急ぎ終わっている感があるので、All You Need is Loveのように最終節のみ3拍子で終わるようなノリかもしれない。

今日は以上とする。
まだまだ謎の完全解明ではない。
一生のテーマかもしれない。
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テーマ : ビートルズ関連
ジャンル : 音楽

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酒と冒険と音楽をこの上なく愛し波乱万丈の人生を送るB型です。
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